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ボチェッリがサンパウロ州の刑務所訪問=囚人合唱団と感動の歌の共演も

 世界的に人気のクラシック界の大御所歌手、イタリアのアンドレア・ボチェッリが16日、サンパウロ州内にある刑務所を慰問した。
 ボチェッリは盲目のハンディキャップを感じさせない歌唱力が感動を呼び、クラシック界では異例の作品売り上げ数を記録するテノール歌手で、作曲家、音楽プロデューサーとしても知られる。その人気は、アルバムが出れば初登場で全世界的に1位になるほどカリスマ的だ。
 今回、ブラジルへは世界公演の一環で来ているが、サンパウロ市での最初の公演は、12日に同市の名門サッカー・チーム、パルメイラスの本拠地、アリアンツ・パルケで行われた。ここでの入場券4万枚が売り切れたという事実も人気の高さをうかがわせる。17日はサラ・サンパウロ、19日はクリチバ市で公演を行う。
 そのボチェッリが16日に公演の合間に訪れたのは、サンパウロ州グアルーリョス市のアドリアノ・マレイ刑務所だ。
 同刑務所内に囚人たちで結成された30人の合唱隊があることを非政府団体(NGO)PDR研究所の所長で友人のパトリシア・ヴィレラ・マリノ氏から聞き、興味を持ったボチェッリは、夫人と共に同刑務所を訪問してその歌声に耳を傾けていたが、合唱隊がブラジルでもよく知られる彼の代表作「コン・テ・パルチーロ」を歌い始めると我慢ができず、立ち上がって彼らと共にその歌声を披露した。
 囚人たちは憧れのボチェッリと共演できたことや、彼の歌に感動し、泣き咽んでいたという。
 ボチェッリは歌の後、コーラス隊のひとりひとりをほめ、音楽を続けるよう励ました。
 ボチェッリは自身の経験談を話し、あきらめずにいればやがて道が開けてくることや、「音楽には人をかえる力がある」ことなどを囚人たちに説いた。(17日付G1サイト、同UOLサイトなどより)