ブラジル連邦議会は18日、上下両院の合同本会議で、教育省が今年の国家高等教育試験(Enem)を実施するための資金4億100万レアルと、学生融資基金(Fies)の契約更新に必要な資金7億250万レアル、合計11億350万レアルの歳出を承認したと、18、19日付伯字紙・電子版が報じた。
同法案は承認直後に、大統領代行を務めるロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)によって裁可された。Enemは11月5、6日に行われる。今回の特別支出は、同試験実施のためにギリギリのタイミングで承認された。
EnemとFiesへの資金投入は9月から検討されていたが、定足数不足で本会議での審議が2回流れていた。
政府は資金不足を理由に3カ月間、Fiesによる大学教育機関への資金を凍結しており、下半期に行われるはずの、Fiesの融資を受けていた学生達との契約更新も行っていなかった。
教育省は、Fiesへの7億250万レアルの資金投入で、約150万件の学費融資契約が年内に更新できるとしている。
メンドンサ・フィリョ教育相(DEM)は、「Fies更新の遅れはいかなる学業の妨げにもならないから、学生達は安心して欲しい」と呼びかけた。同相は、150万件の融資契約更新の他に、7万5千件の新規契約も結べるとした。
ブラジル大学教育維持者協会(ABMES)会長のジャンギエ・ジニース氏は、この決定を歓迎しつつも、大学側には損失があるとしている。
同会長は、「Fiesの契約更新が行われていないにもかかわらず、学生達は継続して授業に出るようにとの指導を受けていた。しかし、4カ月も資金が入らないため、各教育機関は借金をしなくてはならず、利子も発生している」と語った。
同会長はまた、資金援助の早急の実施と、補償として遅延期間分のインフレ調整を求めている。
昨年の大学入学者数は2009年以来5年ぶりに減少し、学費の高い私立大学がより大きな影響を受けた。Fiesでの融資資格も厳しくなり、返済時の利息も高くなった。
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