リオ五輪組織委員は、19日までに14万枚分の五輪・パラリンピック入場券の代金を返金するという約束を反故にした。
前売り入場券を購入した観客は、試合の行われる前にその入場券の使用を諦めた場合、インターネットを通じて返品の上、代金の返還を受けられることになっていた。組織委は返品があり次第、その入場券をインターネットで再販売していた。
組織委は返還期限を、五輪ともパラリンピックとも明言せず、大会終了後30日以内と定めていた。パラリンピック閉会が9月18日だったため、10月18日がその期限だが、まだ14万枚分の返金が果たされていない。
弁護士のマルクス・カストロさん(41)は、3万レアル(約96万円相当)の返金手続きを行ったのに1万2千レアル(約38万円相当)の返金しか受けておらず、「どうしようもない。訴えることも考えている。組織委は約束を果たすべき」と語る。「顧客対応の電話サービスはもう存在しない。eメールでの相談窓口はあるけど、全然返事をしない」と言うのは、同氏の妻アナ・カロリーナさんだ。
リオ州の消費者保護センターはこれまでに、五輪・パラリンピックチケット返金に関する苦情を43件受けている。
組織委は取材に対し、返金総額の57%は支払われたが、15年に行われた2度の抽選で購入された分と、クレジットカードではなく、デビットカードで購入された分の返金が技術的な問題で滞っているとした。
まだ返金を受けていない観客には19日、返金用の銀行口座の情報を知らせるよう求めるeメールが送られている。組織委の広報部長マリオ・アンドラーダ氏は「返金を受けられないということは絶対にない」と約束し、20日からは電話応対も再開すると語った。(20日付フォーリャ紙より)