ペトロブラス(PB)がラヴァ・ジャット作戦(LJ)による負の遺産を乗り越え始めたと22日付現地メディアや24日付エスタード・デ・サンパウロ紙が報じた。
14年から始まったLJの捜査で世界でも類を見ない大型汚職が摘発され、「ペトロロン」の言葉さえ生まれた石油公社は、信用格付ランキングも大幅に低下。LJによる損失計上後は、石油関連企業では世界最大の負債を抱える会社とのレッテルも貼られた上、米国などでは株の急落で損失を被ったとして裁判沙汰も起きている。
だが、LJによる損失計上などの後、投資の縮小や傘下の企業の売却などといった改善努力を続けた結果、21日には、3大信用格付会社の一つであるムーディーズが、同社のランクを安心して投資できるレベルより6段階下のB3から5段階下のB2に引き上げ、同社の置かれた状況も「ネガティヴ」を「安定」と評価しなおした。
また、21日には、米国内の四つの大型投資基金が起こした訴訟問題に関し、第3四半期の決算に損失補償資金として3億5300万ドルを計上する事で、訴訟を取り下げるとの合意が成立。小さな株主による訴訟はまだ解決していないが、ブラジル企業が絡む史上最大の訴訟問題も一息ついたといえる状態になった。
また、同社の改善努力とドル安レアル高という為替の動き、国際的な原油価格の動向、岩塩層下の油田開発へのPBの参加義務を免除する動き、経済基本金利(Selic)の引き下げなどが相まって、株式市場での時価総額も2374億レアルに回復し、世界的な企業内での順位は1月の11位から8位まで上昇した。同順位は08年5月の3位には及ばないが、第1四半期のPBの負債総額は3324億レアルに縮小。この額は実際の運転資金(654億レアル)の5倍に当るが、PBでは2年以内に2・5倍まで軽減する意向だ。
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