ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で逮捕中のオデブレヒト社元社長、マルセロ・オデブレヒト被告の父で、同グループの経営審議会議長をつとめるエミリオ・オデブレヒト氏が報奨付供述で「コリンチャンスの本拠地イタケロン・スタジアムは、ルーラ元大統領が同社を長年優遇してくれたことに対する同社からのプレゼントだ」と発言していたことがわかった。23日付フォーリャ紙が報じている。
エミリオ氏の供述は、同氏自身が同グループ救済のために推進している会社ぐるみのデラソンの一部だが、現時点ではまだ、イタケロンを媒介としてどのような不正が行われていたかは明らかにされていない。
だが、同スタジアムは「ルーラ氏が在任中、オデブレヒトに対して長年もたらしてくれた恩恵への謝礼だった」ことを認めたという。
ルーラ氏は10月、オデブレヒトがアフリカのアンゴラで大型事業を受注できるよう、大統領時代と退任後に影響力を行使し、社会経済開発銀行(BNDES)から10億レアルの融資を引き出させたとして、連邦検察庁から告発されている。
また、同件に限らず、ルーラ氏がマルセロ被告と共に諸外国を訪れる姿が何度も目撃されているほか、オデブレヒトの年商も、ルーラ氏が大統領に就任した2003年の173億レアルが、15年には1320億レアルと7倍以上に増えた。この間のインフレ上昇率は2倍程度で、会社の成長に何かしらの影響力が行使された痕跡を疑わせる状況もあった。
また、ルーラ氏は熱狂的なコリンチャンスファンであることは有名で、イタケロンの建設自体も同氏のアイデアだったという。同氏は、2007年に同チームが全国選手権で2部降格になるなど不振だった当時、正式な本拠地がないことを弱体化の理由にあげていた。
それが、ルーラ氏が大統領の任期を終えた10年にはコリンチャンスは全国選手権3位、イタケロンの建設がはじまった11年にはブラジルリーグ制覇を達成し、翌12年にはリベルタドーレス杯で南米制覇、クラブW杯も制している。
イタケロン建設の総工費は、当初の見積り額の8億2千万レアルを約50%超過する120億レアルを費やした。当初の予算はBNDESからの融資40億レアル、サンパウロ市からの債券42億レアルで捻出される予定だった。
また、イタケロンの建設費に関する会合は、当時のコリンチャンス会長で現在下議のアンドレ・サンチェス氏と大統領退任後のルーラ氏、エミリオ氏の3人で行うことが多かったという。エミリオ氏は同件以外の件も含め、ほぼ毎月、ルーラ氏と会合を持っており、その中でラテンアメリカやアフリカでの事業拡大のための協力も要請したという。
エミリオ氏とルーラ氏は親友で、金の話をすることはなかった。フォーリャ紙は、金銭的な詰めは、息子のマルセロ被告と、ルーラ政権時代の財相で現在LJで逮捕中のアントニオ・パロッシ被告に行わせていたとの推論を立てている。
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