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カルメン・ルシア最高裁長官=劣悪な環境のブラジルの刑務所を視察=より人道的な扱いにするべきと語る

ペルナミリン市の刑務所を視察するカルメン・ルシア最高裁長官(Juiz Paulo Tamburini/CNJ)

ペルナミリン市の刑務所を視察するカルメン・ルシア最高裁長官(Juiz Paulo Tamburini/CNJ)

 国家法務審議会(CNJ)会長にして、連邦最高裁(STF)長官のカルメン・ルシア氏が21日、STF長官就任以来初となる、刑務所の視察を行った。
 ブラジルでは北東部を中心に、刑務所の過剰収容が慢性的な問題となっており、待遇に不満を持つ囚人達による暴動が頻発している。
 こうした事態に対応すべく、カルメン長官はリオ・グランデ・ド・ノルテ州の刑務所から現場視察をスタートさせた。
 21日に訪れたのは同州のモッソロー連邦刑務所と、ペルナミリン市の暫定拘留センター(CDP)、リオ・グランデ・ド・ノルテ州立刑務所の3カ所で、「現地視察は現状を正確に認識し、服役者の置かれている状況をより人道的なものにするために必要だった」と同長官は語った。
 CDPの幹部は同長官の安全に気をもんだが、長官は30人の女性服役囚の房に近寄り、「こんにちは、今日あなたは面会日ね。状況を改善するために視察しているの」と囚人に語りかけた。
 既に何度も暴動が発生しており、収容人員290人のところに547人が服役している州立刑務所でも、同長官は内部の狭く薄暗い通路を歩いた。「印象的な光景ばかりだった。服役者の人権を守るために、やらなくてはいけない事は沢山ある」と語った。
 「国内の刑務所の状況は過酷だ。これは州や連邦政府の保安システム全体の責任だ」と語るのはリオ・グランデ・ド・ノルテ州司法人権局長のワルベル・フェレイラ氏だ。同氏はSTF長官の視察に対しても、「長官は司法権の長としての視点から、平和をもたらす尊い任務の一環としてこられた。尊敬すべきこと」とした。
 カルメン長官は刑務所を視察することで州当局との関係を円滑にし、今後の改善策が受け入れられやすくなることを狙っている。刑務所の状況改善は彼女にとっての優先事項の一つだ。(22日付エスタード紙より)