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一家惨殺=スペインで甥が犯行認める=いとこ殺害時の記憶はない?

 スペインの首都マドリッドから50キロの小さな村ピオスで起きた、ブラジル人一家惨殺事件の犯人として、19日にスペイン当局に身柄を拘束されたフランソワ・パトリッキ・ゴウヴェイア容疑者が、市警備隊(ブラジルの市警に相当)で犯行を認めた。
 7月にピオスに転居して来た、ブラジル北東部パライバ州出身で39歳のマルコス・ノゲイラさんとジャナイナ・ジニスさん夫妻のバラバラにされた遺体が、居間に置かれた黒い袋に入れられた状態で発見されたのは9月18日の事だった。パライバ生まれで4歳の娘と、スペイン生まれで1歳の息子の遺体も、同じ部屋に置かれた袋の中から見つかった。
 惨殺事件の犯人とされたのは、マルコスさん達と同居生活をしていた事もあるマルコスさんの甥で、9月20日にスペインを出てブラジルに戻っていたが、自分に対する逮捕令状が出ている事を確認後、10月18日にブラジルを発ち、19日にスペインに到着。マドリッド空港で待っていた市警備隊員によって、身柄を拘束された。
 同容疑者がその週の内に犯行の一部を認めたため、スペイン当局は21日に同容疑者を正式に告発したが、同件を担当する警部によると、同容疑者は、いとこに当る4歳女児と1歳男児を殺害した方法は覚えていないと供述しているという。
 同容疑者が部分的な供述しかしていないのは、幼児殺害の方法を明確に語れば、その残虐性故に世論の反発を招き、刑が重くなるとの計算が働いているとの見方もある。
 同容疑者は当初、11月16日にブラジルに帰国する予定だったが、ピオスで叔父一家の遺体が発見された後に予定を変更し、9月20日に同国を離れた。
 ホルヘ・フェルナンデス内務相によると、市警備隊は、現場に落ちていた汗から検出されたDNAや、遺体を入れた袋の口を閉じたテープに残っていた指紋などから、同容疑者の犯行と断定。携帯電話の記録から、同容疑者は8月17日に同地域にいた事が確認されており、犯行はその日に行われたと見ている。
 パトリッキ容疑者は、ブラジル国内でも教師への暴行事件を起こした事があり、自己中心的で被害者意識に浸りやすく、人の命を軽んじる傾向があったという。今回の事件は、同容疑者の素行で悩んでいたマルコスさん夫妻がピオスでも一緒に住みたいとの甥の申し出を断ったため、同容疑者が立腹し、一家を殺害したと見られている。(24日付G1サイトより)