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文協術展が開幕、30日まで=金賞に小松さん、航空券獲得

記念撮影する小松さん(前列左から3人目)ら

記念撮影する小松さん(前列左から3人目)ら

 文協美術委員会(金子謙一委員長)による『第10回総合美術展』が始まった。文協ビル大講堂で22日、開会式が行われ500人が来場。応募者の中から選出された絵画、工芸、彫刻など250点の展示品を鑑賞した。30日まで。
 金子委員長は開会あいさつで、「移民によって始まった展示会。現在ではブラジル人ら様々な層に参加頂いている」と感謝を表した。
 引き続き表彰式が行なわれ、美展部門金賞には小松龍輔さん(76、二世)が輝いた。普段石を題材に作画していた小松さんは、散歩中に道路脇の排水溝が眼に入り「一つのフィグラ(絵)を見た」という。
 「一箇所に石、水、汚れ、草が集まっている。それで作品のヒントを得た」と受賞作の由来を明かした。「歯医者として働きながら週末や夜など、2カ月間制作に励んだ」と苦労を語り、副賞の日本航空券を手に受賞を喜んだ。
 工芸部門で受賞したフェルナンダ・マスカレーニャさんは、エコプリントで染めた能の衣装作品を応募。「昨年の2月から研究を始めた。受賞できて嬉しい」と語った。また現代美術部門では、ロベルト・ジアネッシーニさんが栄誉に浴した。


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 文協美術展では地下1階の文化センターに、プロの作品が展示されている。また1階の現代美術コーナーには、応募者作品に紛れ、若林和男さんや金子謙一さんの作品も。プロ・アマチュア、制作者の人種など垣根のない展示会。「イマイチ」と思った作品が実はプロによるものだったり、違った楽しみ方もできそう。