ブラジル全土で一番の人気を誇り、リオを本拠に置くフラメンゴは、現在サッカーブラジル全国選手権で、パルメイラスと激しい首位争いを展開している。
そのフラメンゴが23日、リオ五輪・パラリンピックに伴う改修工事と、大会後の補修工事のために使えなかったマラカナンスタジアムに昨年末以来、およそ11カ月ぶりに帰ってきた。
対戦相手はフラメンゴに次ぐ人気チームのコリンチャンスで、11カ月ぶりのマラカナン、フラメンゴの好調ぶりと、ファンの期待が高まる要素が全てそろった一戦は、5万人を超す観衆を集めて行われた。
折角の一戦に水を差したのは、サンパウロから大勢詰め掛けたコリンチャンスファンだった。
試合前、両軍のファンを分ける緩衝地帯付近のフラメンゴファンとコリンチャンスファンの間で、柵越しに口論が始まった。エキサイトしたコリンチャンスファンは柵を破壊し、フラメンゴファンのエリアに乱入寸前の状態に達した。
警官が警棒で追い散らそうとしたが、初期配備の絶対数が少なく、逆に警官がコリンチャンスファンに取り囲まれて殴打された。
その後は応援の警官が現場に駆けつけ、催涙スプレーなども使って撃退した。ファンにも警察にも深刻な怪我人は出なかった。暴動の様子は警察のビデオに治められており、試合後、警察はその映像を基に割り出した64人を連行した。
64人は警察署で調書を取られた上でシャツを脱がされ、身体的特長などからビデオとの照合が行われた結果、31人が実際に警察と乱闘した現行犯で逮捕となった。
スポーツ高等裁判所(STJD)は、コリンチャンス側に対し、オルガニザーダと呼ばれる組織的サポーター集団はホーム・アウェイを問わずスタジアム入場禁止にすることと、ホームゲーム開催時、オルガニザーダが主に陣取っていた北側ゴール裏スタンドの使用を禁止する措置をとった。
試合はフラメンゴもコリンチャンスも2点ずつ取り合い、引き分け。首位のパルメイラスは勝ったため、2位フラメンゴとの勝ち点差は6に開いた。
パルメイラスは同じサンパウロ市をホームとするコリンチャンスと仲が悪く、両チームの対戦時には何度もファンの衝突が起きている。だが、この日ばかりは、コリンチャンスの得点の際に、首位争いの相手のフラメンゴの苦戦を喜ぶパルメイラスファンが歓声をあげるという珍しい現象が発生し、サッカーニュースでもそのシーンが繰り返し流された。 (規)
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