2015年にブラジル議会で承認され、今年1月から施行しているレパトリアソン法(国外にある未申告資産を申告し、税金と罰金を払うことでその資産を合法化するもの。恩赦の一種)の申告期限が今月末に迫る中、国外資産の申告が増え、国庫への歳入が増大すると共に、ドル流入のせいで、レアルがドルに対し高値をつけていると24、25日付現地サイトが報じている。
国税庁は、レパトリアソン法発効により、24日朝までに1105億レアルの国外資産が申告、合法化され、それへの課税と罰金として331億レアルが国庫に入ったと発表した。
資産合法化のために支払われる所得税は資産の15%だが、これまで隠していたことへの罰金も15%徴収される。
「24日朝までに、個人1万5109人と45法人から申告があった」と国税庁は発表した。
国税庁によると、レパトリアソン法は、2014年12月31日の時点で、ブラジルに居住または住所を持っていた人物または法人が国外に所持していた未申告の資産が対象となる。
申告期限が迫るにつれて、「有罪判決を受けた人や裁判中の人、政治家やその家族の国外資産もレパトリアソン法による恩赦の対象とすべきでは」との声も出たが、国民の反発が激しく、下院での同改定案の審議は止まっている。
中銀は25日、10月1日から21日までだけで25億3千万ドルが国庫に入ったと発表した。トゥーリオ・マシエル中銀経済部長は、ドル流入はレパトリアソン法による申告が寄与しているとしたが、年間では132億ドルが国外に流出している。
10月のドル流入急増は、ドル/レアル為替相場にも影響を及ぼしている。9月末の相場は1ドル=3・25レアルだったが、26日午後2時半現在は1ドル=3・13レアルをつけている。