現在のブラジルにおいて徐々に影響力を持ちつつある音楽賞、ムウチショウ賞(プレミオ・ムウチショウ)の授賞式が25日にリオで行われ、女性シンガーソングライターのセーウが最多の4部門を受賞した。
ブラジルのテレビ大手、グローボ局のエンターテイメント系チャンネルとしてスタートしたムウチショウが主催する同賞は90年代から存在するが、現在のように、一般の音楽ファンからの投票による「ポプラール」部門と、批評家の選ぶ「ジュリ」部門が分かれた2012年以降、注目度が高くなった。
パフォーマンスの部分で人気のアーティストが多く出演すれば中継の視聴率が上がり、批評家部門で一般人気を度外視して作品の質だけで選べば、それだけ賞のステータスもあがるというイメージ画受けたからだろうか、こと「ジュリ」部門の受賞作は、その後にそのことをアピールする傾向が強くなっている。
今回も、ポプラール部門はセルタネージャの人気アイドル、ルアン・サンターナや、リオ五輪開会式で話題になったアニッタ、ここ10数年来、ブラジル音楽界の女王的存在のイベッチ・サンガーロ、そして、今年のセルタネージャで人気急上昇中の、ちょんまげヘアがトレードマークのウェズリー・サファドンらが受賞。会場のリオ・アリーナにつめかけた、10~20代中心の若い観客をにぎわした。
だが、賞の主役となるのは、「ジュリ」部門の受賞のアーティストだ。
「ポプラール」部門が「最優秀歌手」など、主にアーティスト個人に贈られる賞なのに対し、こちらは楽曲やアルバムなど、作品に対して贈られるものだからだ。
今年のジュリ部門の目玉となったのは、女性シンガーソングライターのセーウだった。2005年のデビュー直後から話題を呼び、その当時、アメリカのビルボードのアルバム・チャートにランクインした実績のある彼女は、最優秀楽曲賞など4部門を受賞した。
また、北東部バイア州を拠点とするレゲエ・グループ、バイアーナ・システムが最優秀アルバム、最優秀ヒット賞の2部門で受賞した。
また、最優秀新人賞では、女装して歌って一躍有名となった同性愛者の男性黒人シンガー、リーニケル率いるバンド、リーニケル&オス・カラメロウズが受賞した。
今回受賞したセーウやバイアーナ・システムは、来年3月にサンパウロ市で行われるロック・フェスティバル、ロラパルーザへの出演も決まっている。(26日付ムウチショウのサイトより)
タグ:リオ五輪 サンパウロ バイア グローボ セルタネージャ