ブラジリア連邦検察が21日、連邦貯蓄銀行(Caixa)の管理団体と、勤続期間保障基金(FGTS)が出資した投資基金が、現在米国大統領選に共和党から立候補しているドナルド・トランプ氏の経済団体ザ・トランプ・オーガニゼーション(TTO)を、〃疑わしい方法で支援した〃と連邦裁判所に告発し、26日にそれが受理された。
検察の疑惑の対象となったのは、2012年に発表された、リオ市の港湾地域に高さ150メートルの五つの複合ビル施設〃トランプタワー〃を建設する計画だ。
告発したアンセウモ・ロペス検事は、TTOは、ブラジル国内の年金基金を巡る詐欺を調査するグリーンフィールド(GF)作戦の捜査線上に浮上したとしている。
起訴状は在ブラジリアの第10連邦裁判所ヴァルジニー・オリベイラ判事に出された。同判事は6月に検察庁特捜局(PGR)がエドゥアルド・クーニャ元下議やエンリケ・アルベス元下議らに対して行った告発を受理している。
同判事は捜査要請を受け入れ、FGTSの資金を私的プロジェクトのために投入することを許された見返りに賄賂を受け取ったとされるグループに対する刑事裁判の開始を命令した。
FGTSの資金投入により、Caixaは、現在ポルト・マラビーリャと呼ばれているリオの港湾地域の土地を購入する事が出来た。トランプタワーはこの地に建てられる計画だった。
検察はこれ以上の詳細を明かしていないが、CaixaとFGTSの関係する基金は不適切な方法で、TTOの便宜を図ったとしている。
9月5日に発動したGF作戦は、公的な投資基金に資金を保証された、私的開発計画への不適切な便宜供与について調べており、被害総額は80億レアルに上ると見られている。
26日にロペス検事が起訴状の内容を公表する前は、米大統領選候補者であるトランプ氏の事業計画が同捜査作戦の対象に含まれている事は知られていなかった。(27日付フォーリャ紙より)