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温室効果ガス=不景気でも排出量増える=アマゾンの森林伐採増などで

 ブラジル国内の民間団体からなる「気象観測団(オブセルヴァトリオ・ド・クリマ、以下OC)」が26日、ブラジルの15年の温室効果ガス排出量は二酸化炭素に換算して19億2700万トンで、14年を3・5%上回ったと発表したと26、27日付現地紙やサイトが報じた。
 OCは地球温暖化などに関心のある37の団体(40団体との説もあり)からなり、公的機関と並行して、温室効果ガス排出量などの観測活動を行っている。
 温室効果ガスの排出源と量の内訳は、土地や森林の用途変更8億8412万トン(46%)、輸送を含むエネルギー関連4億5424万8千トン(24%)、農牧業4億2549万9千トン(22%)、工業活動9946万1千トン(5%)、残留物6435万4千トン(3%)だった。
 ブラジルでは15年第1四半期以降、前四半期より国内総生産(GDP)が減少する状態が2期以上続くリセッション(景気後退)が続いており、項目別の推移でも、エネルギー関連部門からの排出量が5・3%減った。同部門での排出量減少は、リーマンショック後に景気後退が起きた09年以来の出来事だ。
 OCは同部門の排出量減少の主要要因として、経済活動低迷に伴う貨物運輸を含む移動の減少、燃料消費の傾向変化を挙げている。燃料消費によるガス排出量は7・4%減で、この間の燃料消費は、化石燃料のジーゼル油とガソリンが7・1%と9・4%減、エタノールは18・6%増えた。
 一方、土地や森林の用途変更によるガス排出量は11・3%増加。主要原因は森林伐採で、法定アマゾンの伐採量は前年比16%増えている。
 農牧業による排出量は0・6%、残留物に伴う排出量は0・3%増えたが、工業活動による排出は1・2%減っている。