国家電力庁(Aneel)は10月28日、11月から消費電力100kW/時あたり1・5レアルを追加徴収する、「イエローフラッグ」を採用する事を決めたと、10月29日付現地紙が報じた。
北東部を中心に干ばつが続いているため、飲用水確保の意味も込め、水力発電にまわす水量を減らして、高コストの火力発電量を増やす必要が生じた事が原因だ。
10月27日、北東部バイーア州にあり、国内2番目の水量を誇るソブラジーニョダムの貯水量は7・91%まで低下した。この事が「イエローフラッグ」採用の決定的な要因となった。北東部全体のダムの貯水率は11・39%で、北部は30・77%、南東部は35・05%、南部は83・56%だ。
今年の4月から10月までは、追加料金の発生しない「グリーンフラッグ」だった。最後に「イエローフラッグ」が採用されたのは今年3月で、今回の採用は8カ月ぶりとなる。
昨年全体と今年の1~2月はより深刻な「レッドフラッグ」で、100kW/時あたり、3~4・5レアルが追加徴収されていた。
「イエローフラッグ」の採用は、電気代のみならず、インフレ率にも影響を及ぼす。経済コンサルタント会社のLCAコンスルトーレス社は、今年のインフレ率予想を、6・79%から、6・9%に引き上げた。
テンデンシアス・コンスルトリア社は12月からの「イエローフラッグ」採用を予想していた。同社のマルシオ・ミラン経済分析員によると、「イエローフラッグ」による値上がりの影響は、イタイプダム水位上昇により、同ダムから給水を受けていたサンパウロ州内陸部やゴイアス州の電気代値下げにより、部分的に相殺されるという。