【既報関連】5、6日の国家高等教育試験(Enem)は、27万人以上の試験が12月に繰り越されたものの、ほぼ平穏に行われた。また、欠席者は09年以来最高の30%に上ったと6、7日付現地紙が報じた。
連邦政府による教育改革や連邦予算の調整率を公式インフレ指数以下に抑える憲法改正案(PEC241)に反対する生徒による占拠で、試験実施不可となった会場は、試験直前にも41増え、最終的に27万1033人の試験が12月3、4日に繰り越された。12月の試験会場は改めて発表される。
また、直前に試験延期との連絡が入ったが、実際には試験が実施された会場も2カ所あり、事前連絡を受けたために試験を受け損なった受験者は12月に受験する事が認められる。
試験そのものは入試並の内容になってきたと評価され、難民やIS(イスラミックステート)、経済危機、男性至上主義などの今日的な題材が盛り込まれた一方、教育改革案では必須科目から外れる哲学や社会学の分野で、ソクラテス以前の哲学者が初めて取り上げられる、ポルトガル語の試験では文章は短いが内容が複雑など、幅広い知識や学力を要求される内容だったようだ。
作文(小論文)のテーマは「宗教的な不寛容をなくす方法」で、宗教的な理由で差別を受けた被害者からの告発数などの資料を基に、論を展開する事が求められた。
今年は、直前まで試験実施が危ぶまれる会場があった事などもあり、欠席者は受験申請者835万6215人中2507596人(30%)に及び、09年の37・7%に次ぐ高率となった。遅刻や金属品所持などで会場に入れなかった受験者も768人いた。
また、連警や教育省などが連帯した捜査で、受験者の体に超小型の機器を着けさせて外から解答を教えるという形の不正が摘発され、8州で11人が身柄を拘束された。