テメル大統領(民主運動党・PMDB)は8日、政府の推進する中等教育改革ならびに国家歳出に上限を定める憲法改正案(PEC241)を擁護し、先月初めからパラナ州を中心に全国に広まった学生、生徒達による学校占拠を批判したと8、9日付現地紙・サイトが報じた。
学校占拠は5、6日に実施された、〃ブラジル版センター試験〃国家高等教育試験(Enem)にも影響し、全国20州と連邦直轄区、405校で受験するはずだった27万人以上の受験者の試験が12月3、4日に延長された。現在は大半の学校で占拠が解かれている。
占拠の学生達は、PEC241反対を主要な理由に掲げていたが、試験会場が占拠されていたせいで、Enemを受けられなかった受験者の間には反発も広がった。
実際に南部の州では、試験を延期された受験者の父親が占拠者と口論後、「試験が受けられるように、中にいる奴らを全員つまみ出すべきだ」と語った。かたや占拠者達も、「PECへの反対は今後の教育を守るために不可欠だ」と譲らなかった。
私設弁護士を雇えない人々のための法的援助を行う団体は、ブラジル教育省に対し、学校占拠に関わった人物を割り出して、処罰することのないように勧告した。
教育省は「ブラジル憲法はデモ(この場合「学校占拠」を指す)の権利を認める一方で、勉学を望むものが教育を受ける権利も認めている」と発表するに留まった。
テメル大統領は8日、ブラジリアで開かれたインフラ開発セミナーに出席し、教育改革とPECを擁護して、学校占拠の動きを〃過激な動き〃と批判した。
テメル大統領はセミナーの中で、「TVでPECに反対する活動家が『PECとは何か』と問われ、『商業教育に関する提案』と答えていたのを見た(正しくは「憲法改正案」)。占拠者たちが全員無知蒙昧だと批判しているのではない。そういうこともあり得るということ。何に対し、何のために反対しているのか良く理解もせず、むやみに反対と叫ぶのはいかがなものか」と語った。