ブラジル将棋連盟(吉田国男会長)は先月23日、サンパウロ市の同連盟会館で第69回全伯名人戦大会を開催した。パラーやパラナ州からの参加者を含む総勢25人が腕を競い、五、六段以上の段位者のみ参加できる本戦では、パラー州ベレンから参加の高嶋ロベルト五段(62、二世)が優勝を果たした。
本戦決勝は、過去大会で幾度もの優勝経験を持つ青木幹旺六段(83、群馬)との勝負になった。居飛車の青木六段に対し、振り飛車に構える高嶋五段。中盤の攻防で歩2枚と桂馬、銀将を失い劣勢となるも、終盤の果敢な攻勢で形勢を取り戻し、青木六段の受けが甘くなったところを見逃さず、寄せ切った。試合後、高嶋五段は「青木先生と勝負ができて楽しかった」と満足げに語った。
段位別戦も行われ、四段の部では加藤修仁くん(13、東京)が全勝優勝を果たした。五段への昇段条件である、四段戦での二度の優勝規定が満たされ、次回からは本戦へ出場が可能となる。
加藤くんは日本将棋連盟東京将棋会館道場で初段位を持つ実力者で、本戦での活躍も期待されている。三段戦では山口栄一さんが優勝を果たした。