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リオ州議会前で抗議行動=知事の危機改善案に反対し

抗議行動の本格化によって壊される前の州議会前の柵(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

抗議行動の本格化によって壊される前の州議会前の柵(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 【既報関連】巨額の負債を抱え、破産状態のリオデジャネイロ州の状況改善のため、ルイス・フェルナンド・ペゾン州知事が提出した緊急法案(PL2244/2016)の審議開始を受け、公務員が州議会前での抗議行動を再開、怪我人も出たと17日付現地紙が報じた。
 ペゾン知事提出の改善案には、正副知事や局長らの給与カット、公務員からの社会保障費徴収額を給与の30%に引き上げる、3年毎の給与調整停止などが含まれ、公務員らが強く反発。16日には3度目の抗議行動実施が決まっていた。
 州保安局は15日に州議会前に柵を設け、16日も朝から多数の警官を配備したが、午前9時頃集まり始めた公務員達は午後に入って急速に数を増し、議会前の柵も壊し始めたため、警備の警官達との抗争が起きた。
 警官隊はゴム弾や催涙スプレー、催涙ガス弾なども使ったため、抗議行動参加者が催涙ガス弾破裂直後に倒れるなど、負傷者も出た。だが、午後2時半には柵は跡形もなくなり、公務員達が議会前の階段を占拠した。
 警察側が騎馬隊や放水車も導入したため、公務員達も議場には侵入しなかったが、州議会で改善策の審議が続く間は抗議行動も続く見込みだ。
 公務員の抗議行動や州議会議長からの議案差し戻しを受け、ペゾン知事は16日朝、社会保障費の負担金として公務員給の30%を差し引く案の取り下げを発表した上、代替案提出も求めた。
 州議会では同日、知事らの給与の30%カット案と法的負債返済額を40最賃から15最賃に減らす案を審議したが、両案に40件と56件の修正動議が出されたため、修正動議の提出期限が17日まで延期された。
 財政改善案には、鉱山動力省に原油採掘に伴うロイヤリティの算出方法変更を求める案なども含まれており、審議難航が予想される。16日夜には、同州地裁が3年毎の給与調整停止案は違憲との判断を下し、同項目の差し止めを命じた。