米国カリフォルニア州グレンデール市に設置された、慰安婦像撤去のために活動している『歴史の真実のための世界連盟(GAHT)』(目良浩一会長)が、裁判継続のために資金集めを呼びかけている。
13年に米国で初めて設置された慰安婦像と石碑の撤去を求め、14年に設立された同連盟。連邦地裁に提訴していたが、今年8月に第二審で敗訴していた。「ここで撤退すれば、米国の多くの都市で慰安婦像が続々と建てられてしまう」と危惧し、現在、控訴裁判所に再審議を請求している。
連盟の手伝いをしている河合英男さん(83、大阪)は、「碑文に書かれていることは根拠のない嘘八百。日本人の尊厳を貶めるもの」と憤る。現地ではそれにより、マイノリティーである日系人子弟へのイジメ問題も明らかになっているという。
慰安婦問題は近年新たな展開を迎えている。慰安婦問題の発端となった『強制性』を報じた朝日新聞が、その根拠となる吉田清治氏の著書が捏造だったとして、14年に事実関係の誤りを認め正式に謝罪した。
これを受け、今年2月の国連の女性差別撤廃委員会で、日本政府は旧日本軍による『強制性』を確認できるものではないと初めて言及。河野談話からの軌道修正を図りつつある。
また昨年末の日韓外相会談で、元慰安婦に対する支援のため日本政府が10億円拠出することを決定。それを前提に、最終的かつ不可逆的に解決され、本件について国際社会で非難・批判することは控えることが確認されたが、韓国は反日活動を弱めていない。
「本来は国がやることだが、それを待ってはいられない」として立ち上がった米国の同連盟。ブラジルでも実現には失敗したが、2年前にクリチバで『戦争犯罪写真展』が韓国政府により企画されたという。河合さんは、「多民族が共生する移民国家ではあってはならないこと。ブラジルの日系社会からも応援している姿勢を見せられれば」と、募金を呼びかけている。
募金は同連盟ホームページ(gahtjp.org/?page_id=492)からクレジット決済が可能。また22、29両日の正午から午後2時まで、ニッケイ・パラセホテル(Rua Galvao Bueno,425)の地下レストランで河合さんが募金を受付けている。問合せは同氏(11・4702・2265/97022・8644)まで。