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ブラジル銀行=効率化のためにリストラ策=支店閉鎖や希望退職の募集

 ブラジル銀行(以下BB)が21日、402支店の閉鎖や1万8千人の希望退職者募集などを含むリストラ策を発表し、約38億レアルの経費削減が可能との見解を表明したと21日付現地紙、サイトが報じた。
 支店数は国内最大、従業員数も民間のブラデスコに次ぐ公的銀行のBBだが、ジウマ政権が金利引き下げを命じた2012年以降、貸し出しに伴う信用リスク移転などが膨らみ、収益が減っているため、利益率を民間銀行並みに引き上げるための策を打ち出したのだ。
 具体的には、全5430の支店を営業効率などで分析し、402支店を閉鎖し、379支店を自動預入引出機(ATM)を備えた出張所に格下げするなどの措置をとる。ただし、BB以外の銀行がない自治体では支店を残す。現在の出張所数は1791カ所だ。
 BBはこの措置で、家賃や共益費を含む場所代や、現金輸送車や警備にかかる経費その他で、7億5千万レアルの支出削減が可能と見ている。
 また、支店閉鎖などに伴う人員整理のため、1万8千人の希望退職者も募集する。現在の職員は19万9400人で、約9千人分の削減が目標だが、希望退職者が5千人で終わった場合の支出削減額は設備関連分を含めて18億5千万レアル、希望退職者が1万人いれば27億レアル、1万8千人に達すれば37億9800万レアルの節約となる見込みだ。希望退職者には、12カ月分の給与と、勤続年数に従った賠償金(1~3カ月分の給与)が支払われる。
 サンパウロ州では222支店が閉鎖され、137の支店が出張所になる予定だ。
 支店閉鎖や出張所への格下げによる不都合はデジタル化でカバーする意向で、2017年はデジタル対応の拠点を255増やす。2015年9月現在のインターネット・バンキングや携帯電話による取引は総取引数の59・3%だったが、今年9月は67・2%に増えた。デジタル対応の顧客数は130万人で、17年には400万人に増えると見られている。