【既報関連】18日に辞任したマルセロ・カレロ前文相に不正疑惑を暴露されていたジェデル・ヴィエイラ・リマ大統領府総務室長官(民主運動党・PMDB)に関し、ミシェル・テメル大統領は21日に閣内残留の判断を下したが、疑惑に関する調査進展は避けられない状況になり、同長官の今後はかなり危ういものとなった。22日付エスタード紙が報じている。
バイア州サルバドールの歴史的遺産地区に建設中の高層ビルに対し、文化省傘下の機関が建設不許可との判断を下したため、利権の絡んでいたジェデル氏がカレロ前文化相に圧力をかけて認可させようとしたとの告発後、ジェデル氏は疑惑の人物となっている。
21日、テメル大統領はアレッシャンドレ・パローラ広報官を介して、ジェデル氏を今後も現職にとどめる意向を明らかにした。
ジェデル氏はテメル氏の30年来の親友で、現連邦政府内では、エリゼウ・パジーリャ官房長官やモレイラ・フランコ公私投資プログラム局長と共に「PMDB政権三本の矢」と目される重要官僚のひとりだ。現在、連邦政府が議会で通過させようとしている、財政支出に上限を設ける憲法改正案(PEC)241号に関しても、ジェデル氏はパジーリャ氏同様に、調整役を担っている。
だが、ジェデル氏の立場は苦しい。同日に大統領府倫理委員会で行われた同氏への調査を進めるか否かの審議では、7人の委員中5人が「進める」に賛成した時点で、バイア州出身のジョゼ・レイテ・サライヴァ氏が再考を求めたため、結論は次回の12月14日に先延ばしにされかけた。
だが、ジェデル氏がサライヴァ氏と委員長に電話した後に審議が再開され、サライヴァ氏と残る1人の委員も調査に賛成したため。ジェデル氏は同日、10日以内に疑惑に関する説明を行うようにとの通達を受けた。
前述のモレイラ・フランコ公私投資プログラム局長は21日、疑惑発覚で「大統領は非常に心配している」と認めつつ、「PMDBは犯罪を犯すための集団ではない」と苛立ち気味に語り、ジェデル氏の今後は保証できないとの見解を示した。
ジュデル氏は、地元では「黒い政治家」的な見られ方をしてきた。彼の一家は、軍政時代から大物政治家として知られ、同州知事なども歴任したアントニオ・カルロス・マガリャンエス(ACM)氏と懇意で、同州選出下院議員だった1993年には、他の議員らと共に民間企業に便宜を図り、10億レアル規模の贈収賄に関与した疑いを持たれたが、議会調査委員会で無罪とされた。
ルーラ政権の07~10年に国家統合相をつとめたときも、バイア州が恩恵をこうむるような資金援助操作を行った疑いで告発されたが、知事選出馬のため同相を辞任。落選後は連邦貯蓄銀行副頭取に任ぜられたが、インターネットでジウマ氏への辞任勧告メッセージを流した後に辞任した。
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