【サンフランシスコ共同】移民排斥的な発言を繰り返してきたトランプ次期米大統領の主張が、人種や宗教間の憎悪や差別をあおっているとして、日系やイスラム系の市民約500人が22日、サンフランシスコの日本人街で抗議集会を開き「差別を許さない」と訴えた。
トランプ氏の政権移行チームが検討しているとされるイスラム系移民の登録制度に関し、トランプ氏の有力支持者が第2次大戦中の日系人強制収容を「前例」と引き合いに出すなどし、批判の声が相次いでいる。
日系2世の作家ヒロシ・カシワギさん(94)は強制収容の対象となった。「あの恥ずべき行為がどんな特定集団に対しても繰り返されてはならない」と断じた。
弁護士のジェフ・アダチさんも「日系人収容は憲法違反だった。トランプ氏就任までの2カ月で(移民らへの)できる限りの支援が必要だ」と呼び掛けた。
高校生のアメリア・ハスターさん(17)は「収容所に入れられた祖母の話を聞いて育った。社会は差別に対して進歩していない。諦めずに差別をなくすよう働き掛ける」と語った。