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汚職防止法=下院委員会が意見書承認=「裏金恩赦」の件は未解決=結論は本会議に持ち越し=閣僚離脱恐れるテメル政権

23日の特別委員会の様子(Antonio Cruz/Agência Brasil)

23日の特別委員会の様子(Antonio Cruz/Agência Brasil)

 下院の特別委員会は23日、連邦検察庁が提出した汚職防止法の審議を行い、同日深夜に行われた投票では、委員30人が万錠一致でオニキス・ロレンゾーニ報告官(民主党・DEM)の意見書を承認した。だが、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)を妨害しかねないとして問題となっていた、「同法が有効になる前に行われた選挙時の裏金(カイシャ2)工作は犯罪としない」という条項は、下院本会議での審議となりそうだ。24日付現地紙が報じている。

 特別委員会は23日から24日未明まで、15時間をかけてオニキス下議の意見書を審議した。
 その結果、委員による投票では30対0、棄権なしの満場一致で意見書が承認された。
 ただ、今回の委員会では、汚職防止法案に関連してかねてから注目されていた「裏金工作への恩赦」については曖昧なまま審議が進んだ。同委員会で通過した12条の文言の中に、裏金工作への恩赦に関する記述は特になかった。エスタード紙は24日付紙面でここまで報道していた。
 だが、24日付フォーリャ紙は、「裏金疑惑のある人への恩赦については主要政党のリーダーの合意が成立しており、下院本会議で修正動議を出して審議の上、押し通す構えだ」と断定して報じている。
 24日午前のG1サイトによると、下院本会議で使われる予定の書類は既に出回っており、そこには「法適用前の裏金工作は罪に問わない」との記述が存在する。
 同サイトによると、23日の委員会で、労働者党(PT)副リーダーのヴィセンテ・カンジド下議が「裏金工作への恩赦の件を取り下げなければ投票に応じない」とロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)に食い下がった結果、恩赦の件はひとまず置いた形で意見書を承認することになった。
 裏金工作への恩赦に関しては下院本会議での審議となりそうだ。
 なお、汚職防止法が発効してからの裏金疑惑の罰則は、2年から5年の実刑で、裏金工作に使われた金に違法性が認められた場合の刑期は2・5年から6・5年になる。当初は「最大10年」となっていたのに比べるとかなり緩和されている。
 24日付伯字紙は、LJ最大の汚職企業のひとつ、オデブレヒトが社をあげてデラソン(司法取引)に応じる手前まで来ていることを報じているが、同社幹部らの供述で選挙裁判所に申告されていない裏金を含む贈収賄の実態が暴露される可能性は高い。
 同社によるデラソンには200人近い政治家の名前が含まれていると言われ、テメル政権は同社のデラソンで連邦政府の閣僚にも火の粉が及び、政治改革の最中に閣僚が離脱するような事態となることを恐れている。