サッカークラブ、シャペコエンセの関係者を乗せた飛行機が墜落し、乗客、乗員70人以上が死亡(選手も重症の3人を除いて全て死亡)した事故は、ブラジルのみならず、全世界に衝撃を与えた。とりわけ同クラブの本拠地、サンタカタリーナ州シャペコー市は悲しみにくれている。
アルバジール・ペリセルさん(80)は、1973年にシャペコエンセを立ち上げたときの創設メンバーのひとりで、今回の事故で「夢が終わったよ」と語っている。
「創設時はクラブを支えるためにいろんなものを売ったよ」と語るペリセルさんは、2013年に脳血管障害(AVC)で倒れるまで同クラブの経営に携わった。最近はラジオでしか試合を確認できていなかったが、「ここしばらくは喜びの連続だった」と語る。
2009年に全国選手権4部だったシャペコエンセは快進撃を続け、2014年に1部に昇格。そこから15位、14位と1部に残留し続け、今年は最終節直前の現在まで9位。サンパウロFCやクルゼイロ、インテルナシオナルといった名門より上位だ。
さらに、今回のコロンビアでのスル・アメリカーナ杯決勝には、チームにとっては念願だった南米選手権、リベルタドーレス杯の出場もかかっていた。
また、同チームの応援団「ラッサ・ヴェルデ」のエーヴェルトン・ペレイラさんは、今回の事故を受けてのシャペコーの様子を「街は完全に止まってしまっているよ。市民は家族が死んだかのように受け止めているよ」と語っている。
エーヴェルトンさんによると、「コロンビアには移動費が高すぎて飛行機では応援に行けない。だから、マイクロバスを借りて応援しにいこうかと考えていたところなんだ」と、小さな町のチームの応援団ゆえの現実も語った。
ただ、「市民の心はひとつだよ」とエーヴェルトンさんは市民のチーム愛を強調した。
シャペコー市は29日、今後30日間はシャペコエンセのために喪に服すことを正式に発表している。(29日付G1サイトより)
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