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連合会結成のアイデアも=第3回サンパウロ州地方団体の集い=和太鼓で再活性化の例発表

集いの様子(挨拶する山村聖南西会長)

集いの様子(挨拶する山村聖南西会長)

 『第3回サンパウロ州日系地方団体代表者の集い』が11月19日午前10時からプロミッソン市の上塚周平公園で開催され、約60人が参加した。レジストロ勢は深夜1時に出発して現地に向かったほか、スザノ、アチバイア、奥パウリスタ地方からの参加者もいた。「移民の父」上塚周平を顕彰する由緒ある公園で、日本移民110周年に向けて地方文協代表者が熱く議論を交わし、結束を強める機会となった。

 地元のプロミッソン日伯文化体育協会の岡地建宣(たけのぶ)会長は、「歴史ある上塚公園でこの集いを開催できて光栄」と挨拶し、呼びかけ人である聖南西文化体育連合会(UCES)の山村敏明会長は「お互いの絆を強めたい」と語り、当日の議長に就任した。
 ブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長の代理としてノロエステ連合日伯文化協会の安永信一会長が指名された旨のメッセージが読まれた。
 各地方での取り組みを報告する中で、「スザノ日伯学園」を経営する汎スザノ文化体育農事協会(ACEAS)の山本善左門会長は、「10周年を記念して体育館を新設した。生徒の6割は非日系だが、生徒の半数以上は日本語を勉強している。日本的教育が地元住民に広く信用されている証拠」と語った。

ドラセナの岡本英樹・治恵夫妻

ドラセナの岡本英樹・治恵夫妻

 アウタ・パウリスタ日伯文化協会連合会の岡本英樹会長(ドラセナ文協元会長)は、「ドラセナは和太鼓を始めてから再生、復活した。10歳前後の子供を持つ40歳ぐらいの親がどっと入会し、活性化した」との成果を発表すると拍手がわいた。
 妻の岡本治恵(はるえ)さんも「この世代はデカセギ経験者が多く、奥さんは今の日本料理のレシピを知っており、婦人部も賑やかに。太鼓をやりたい非日系も多いことから入会を開放した結果、人材が豊かになった」と補足した。
 小川彰夫聖南西広報理事からは「Kaikan(地方文協)の役割が益々重要に。スザノのようにKaikanから一般社会へと日本的教育、文化を発信することで貢献する時代。我々の中の〝日本〟を磨かなければ。これだけ集まったのだから地方の声を代表する連合会をつくっては」と提案した。
 ノロエステ連合の白石一資元会長は「連合会を作って維持する経費はどれぐらいかかる? 作っても途中でダメになるのなら最初から作らない方が良い」と釘を刺した。
 渡辺勝米UCES卓球部長は「サンパウロ市文協の存在は重要だが、会議のたびに参加するのはムリ。地方に重心を置いた連合会があれば、地方の問題解決に心強い助っ人になる」と待望論を述べた。
 山村議長は「連合会のアイデアはもっと時間をかけて熟成させる必要がある。次回の議題に入れよう」と述べ、承認された。次回は来年5月頃にリベイロン・プレットで開催される予定。
 現地の松田進さん(78、三世)は「日系人が日本を想う気持ちが強く感じられる会議で、とても良かった」と感想を述べた。当日は市長代理で体育局長のフランシスコ・カルジン氏に加え、アンドラジーナ市の小野ジャミル市長も出席した。