5日夜、レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)が、最高裁のマルコ・アウレーリオ・メロ判事から議長職の停職暫定令を単独判断で受けたことから、政界に激震が走った。ラヴァ・ジャット作戦の代表的な疑惑の政治家であるレナン氏はここ最近、司法界との対立を見せていた。また、同議長の停職は、ミシェル・テメル大統領(PMDB)の連邦政府にとっても大きな痛手となりそうだ。5日付伯字紙が報じている。
最高裁のマルコ・アウレーリオ・メロ判事は5日、レナン議長に対し、「上議議長職の緊急停職」の命令を下した。6日午後4時現在、レナン議長は一時停職命令の受取りを拒否しているが、法の執行は時間の問題と見られている。
同議長の任期は来年の2月1日まで。12月下旬から1月いっぱいまで議会は休みに入るところだった。
レナン議長は2007年に最初に上院議長をつとめていた際に、婚外女性との隠し子に毎月福祉の支払を違法で受けさせていた件が報道され、辞任した。最高裁でその容疑が1日に審議され、判事投票8対3で被告となっていた。
さらに11月3日に最高裁では「被告になった人物は、大統領の継承権にある役職(副大統領、下院議長、上院議長など)から解任されるべきか」との投票も行なわれた。ディアズ・トフォリ副長官が再考を求めて結論を先延ばしにしたものの、その時点で判事の過半数を超えていた。
レナン議長は現在11の案件で検察庁の捜査対象となっており、その中にはラヴァ・ジャット作戦での収賄や犯罪組織形成の容疑もある。
同議長と最高裁の関係も最悪だったことも今回の背景にある。LJ作戦で連警から疑惑を持たれている上議に、盗聴防止の協力した議会警察の逮捕命令を許可した連邦直轄区の判事に対し、同議長が「地裁の分際で」と批判し、カルメン・ルシア最高裁長官の怒りを買っていたからだ。
またレナン議長が先週、検察や最高裁に罰則を適用しかねない「汚職防止法案」の強行採決を上院で試みたことで関係がさらに悪化していた。
レナン停職命令はテメル政権にとって大きな痛手となった。というのも、レナン氏の処分が解けないうちは、議長職はジョルジュ・ヴィアーナ副議長が代行することになる。彼はジウマ前大統領の労働者党(PT)の議員だからだ。
テメル政権が経済政策の最優先課題とする「歳出上限法案」の投票が13日に行なわれる予定だが、彼はこの法案に反対の立場といわれる。そのためヴィアーナ氏の判断で投票が先延ばしされる可能性が生じている。
この件では、最高裁本法定での最終判断が、7日に下される予定。
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