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汚職や事故のもとを糺せば

 出勤途中、すれ違った男性の背広の裾の長さが違うのを見て、ボタンの掛け違えだと気づいた。急いでいたので通り過ぎたが、今のブラジルもボタンの掛け違えが多いとふと思った▼最近の弊紙2面は予想外の事故や事件に振り回され、何もなければトップやカタと呼ばれる大きな記事になるのに、小さめの記事になったり載せられなかったりする例が多い。しかも、シャペコエンセの選手を巻き込んだ事故も含め、その多くは意図的に犯した罪やミスが引き金になっている▼意図的に犯した罪やミスの中には、汚職や暴言、それに対する報復なども含まれる。公金横領や資金洗浄は、国民に選ばれ、国民に仕えるはずの政治家達が、自分や仲間を潤す事に専念した結果といえる。ラ・ミア機の事故も、途中で給油するための経費などを惜しんだ結果、多くの人の命を犠牲にしたといえる▼本来の姿や目的を忘れると、当然の事だが、目指すべき方向や着地点が変わる。途中でボタンの掛け違えに気づいた時はまだ良いが、修正されずにずれが増幅すれば、いつかはそのツケを払う必要が生じる。政治家なら、検察からの起訴や職務剥奪で自らの罪を清算させられたりする。ラ・ミア機の事故も起きるべくして起きたと見る向きが多く、6日には同社理事が逮捕された▼だが、間違った事をしていると自覚していた人が責任を問われるのは当然だとしても、何も知らずに巻き込まれた人は悲劇だ。主人はよく「昔の政治家は『政治がやりにくくなるから、国民には教育がない方が良い』と考えていた」と言う。こういった考え方もボタンの掛け違えだと思うのは、当方の頭のネジが外れた証拠? (み)