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《ブラジル》 下院が移民法改定案を承認=外国人の滞在合法化へ道筋=上院での承認や裁可も確実か

移民急増中のギリシャ(2015年、参考映像・Stephan Ryan/IFRC)

移民急増中のギリシャ(2015年、参考映像・Stephan Ryan/IFRC)

 ブラジル連邦下院本会議で6日夜、移民法改定案が承認されたと7日付現地紙が報じた。同法案は、1980年に制定された、軍政時代の外国人法に取って代わるものだ。
 同法案は、移民の権利と義務、ならびに外国人の入国、滞在に関する規定を定めるものだ。その中には、現在国内に居住し、就業している外国人の滞在を合法化するための書類取得を容易にする内容が含まれている。
 新移民法はさらに、国境地帯で逮捕された不法入国の外国人が公選弁護人による弁護を受ける権利を保障し、連邦警察による即座の国外追放を禁じている。
 「新移民法は人道的性格を持った法律だ。軍政時代に作られた、懲罰主義的、差別的な性質の外国人法の代わりとなる」と、同法案を検討した特別委員会の委員長を務めたブルーナ・フルマン下議(民主社会党・PSDB)は語る。
 「同法は、1997年の難民法制定以来の懸案だった難民保護を強化・達成できる」と、ジョアン・グランジャ元務省移民局長も語る。
 同法案が承認、裁可されれば、国際空港で時には何カ月も、法的庇護もなく、入国審査前のエリアで放置される移民の状況も改善される。新法では、連警は24時間以内に移民の処遇を決めなくてはならなくなる。
 今後、同法案は上院での審議に移る。「テメル大統領は9月の移民と難民に関する国連サミットで『ブラジルは行政、立法が一体となって、移民関連法を改正していく』と公約しているため、上院での承認と大統領裁可の可能性は非常に高い。世界中で排外主義、不寛容の精神の拡大が見られるなか、ブラジルは国籍の別なく人権を重んじる伝統を再び示した。排外主義に対する偉大な勝利だ」と、国際人権救援機構(アムネスティ・インターナショナル)人権部広報担当のマリーナ・モッタ氏は評価している。