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州立図書館に日本語棚を!=五十嵐さんが進捗報告

絵本コーナーに並ぶ日本語の絵本。日本語棚設置には未だ至らず

絵本コーナーに並ぶ日本語の絵本。日本語棚設置には未だ至らず

 サンパウロ市ヴィラ・ロボス公園内の州立図書館に、日本語書籍専用棚を設置するために活動している日本語教師の五十嵐松酒早苗クリスチーナさんが先月30日、進捗報告のため編集部を訪れた。
 日本語書籍専用棚設置のために図書館から提示された条件は、2000年以降に刊行された日本語書籍を100冊以上用意すること。9月の活動開始から、五十嵐さんの下には既に100冊以上の本が集まり、順次図書館へ納入を進めている。しかし、図書館から納入を断られる書籍も多く、困っているという。
 図書館の受け入れ基準は不透明で、30日現在までに64冊を渡して、受け入れられたのは31冊だけ。子供向けの絵本や日本文化を紹介する本、動植物に関する本、村上春樹など世界的な有名作家の本が受け入れられ、その他小説などの一般書籍は受け入れを拒否される傾向にあるという。受け入れられなかった本は、再度受け入れを求めるが、一部は他の公立図書館に取り扱いを求める予定だ。
 納入された本は、続々と貸し出しが開始されている。しかし、未だ日本語書籍専用棚は設置されておらず、既存の分類に応じてばらばらに配置され、日本語書籍があることに気付く人は少ない。「日本語に対する市民の関心喚起と、日本語学習者の利便性向上が活動の目的なので、日本語書籍専用棚の設置をこれからも求めていく」と五十嵐さんは語り、引き続き2000年以降に刊行された日本語書籍の寄付を呼びかけた。
 本紙はこの取り組みに賛同し、寄付本の預かり窓口となっている。寄付に関する問い合わせは編集部(11・3340・6060/担当・石川)まで。