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週末の現金引き出し注意!=あわやカード詐欺の被害に

 先日「大耳小耳」欄に掲載された『サンタンデール銀行での邦人詐欺被害』の記事を見て、「全く同じ手口で被害に遭いそうなった!」と、戦後移住者の高野えい子さん(77、一世)が一部始終を語りに編集部を訪れた。
 3カ月前ごろの日曜日、サンパウロ市ガルボン・ブエノ通りのサンタンデール銀行支店の現金自動引出機で現金を引き出そうと、カードを差し込んだところ機械から出てこなくなった。
 その時、困っていたところ、後ろに立っていた女性が「ブロッキア(口座封鎖)してもらったほうがいい」と親切な振りをして近づいてきた。その女性が自分の携帯電話で銀行緊急窓口らしきところにつなぎ、高野さんの事情を伝えた。すると、「ブロッキアするのにパスワードが必要」といわれて教えると、その彼女は「これでもう安心よ」と、さも手続きが終了したかのように言ってきた。
 高野さんは、その女性を不審に思い、急ぎの用もなかったので一人店内で20分ほど腰掛けて待っていた。すると、鍵をたくさんつけた男が店内に入ってきた。後ろに座っていた高野さんに気づかず、その男はカードが挟まった現金自動引出機を鍵で開け、カードを取り出した。
 高野さんが「銀行員ですか」と声をかけても無反応なので、「カードを返して下さい」と強く言うと、ようやく手渡し、そのまま立ち去っていったという。つまり、銀行員かその関係者が関わっている可能性がある。
 その後、ブロッキアされているかを確認すると、されていなかった。あと一歩のところで被害に遭う寸前だった。
 高野さんは「複数犯の可能性が高い。店内に銀行員がいない週末に、機械から引き出すときは特に気をつけて。不審者がいないか周囲を良くみて、ブロッキアするのであれば、信頼の置ける人に手伝ってもらう方がいい。冷静に焦らず判断して」と呼びかけている。