10日付発売のヴェージャ紙によると、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)におけるオデブレヒトの役員ら77人の報奨付供述(デラソン)の内容がリークされ、ミシェル・テメル大統領(民主運動党・PMDB)をはじめとした現政権の主要官僚が収賄を行っていた疑惑を暴露されたほか、大物政治家の名前が続々とあがり、ブラジルを激震させている。10、11日付現地紙が報じている。
ヴェージャ紙の取材を元にした10日付現地紙の報道によると、テメル大統領は14年の選挙の際、当時オデブレヒト社長だったマルセロ・オデブレヒト被告に、「PMDBに資金が必要」として1千万レアルの賄賂を要求したという。
その内の400万レアルはエリゼウ・パジーリャ現官房長官に渡されたが、パジーリャ氏はその一部はエドゥアルド・クーニャ下議(当時)に手渡すと言っていたという。残る600万レアルは、同年選挙でサンパウロ州知事選に出馬したパウロ・スカッフィ・サンパウロ州工業連盟(Fiesp)会長に渡ったはずだという。
また、それ以外にも、政府関係、議会関係のPMDBの要職政治家の名前が続々とあげられた。政府関係ではパジーリャ官房長官と並ぶ「3本の矢」と呼ばれ、先日、バイア州の物件の建設に必要な認可を出させるように、マルセル・カレロ前文化相に強要しようとした疑いで辞任したばかりのジェデル・ヴィエイラ・リマ前大統領府総務室長官、モレイラ・フランコ官民投資計画局長の名もあがっている。
そのほか、議会関係でも、レナン・カリェイロス上院議長、ロメロ・ジュカー政府リーダー、次期上院議長の出馬が有力視されているエウニーシオ・オリヴェイラ上議の名があがっている。下院では、9月にLJの疑惑により罷免され、逮捕中のエドゥアルド・クーニャ前下院議長の名前もあがった。
議会関係者を巡る汚職は、オデブレヒトの利害にも関わる項目を含む暫定措置令(MP)の承認をはかるために賄賂をつかませて票を取りまとめる交渉をしたものや、選挙の裏金、正式な政治献金の形をとったものだ。MPを巡る贈収賄の時期は10~14年が多いが、05年のものは、当時下議だったジェデル氏が絡んでいるという。
また、レナン氏が220万レアル、ジュカー氏が2200万レアル、エウニーシオ氏が210万レアル、ジェデル氏が680万レアルを受け取ったとも言われている。
また労働者党(PT)関係でも、前官房長官のジャッケス・ヴァギネル氏が06年と10年のバイア州知事選で計1050万レアルの賄賂を贈ったとし、ジウマ前大統領元側近のアンデルソン・ドルネレス氏にも35万レアルを流したという。
その他にも、ロドリゴ・マイア現下院議長(民主党・DEM)やマルコ・マイア元下院議長(PT)ら、大物政治家の名前が挙がっている。
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