今年で創立10周年を迎えた援協傘下の自閉症児療育学級PIPA。特別養護学級がなく、薬による治療が一般的とされる当地において、日常生活療療法を導入したことが高く評価されている。
ブラジルでは人口の1%が自閉症と推定され行政が対応に苦慮するなか、その社会的意義は大きい。なんでも連邦政府の厚生大臣まで話が上がっているといい、今後の事業拡大が期待される。
生活療法を編み出したのは、教育者として名高い北原キヨさん。幼稚園を開園するなか、入園を断られた障害児を預かったのが出会いだった。自閉症の子を昼夜問わず積極的に預かり、母親のように抱いて寝たこともあるという。
そんな母親の愛情と教育者の情熱で、体験的に生み出された療法。そんな指導を受けた学級の卒業生らは、日伯友好病院でいきいきと働いているとか。医学の「日本方式」で、さらに社会貢献して欲しいところだ。(航)