ミシェル・テメル大統領(民主運動党・PMDB)が、オデブレヒト(O)社のラヴァ・ジャット作戦での報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で2件目の言及を受けた。大統領は15日、その指摘を受け、デラソンを行った人物と「会ったことは確かだ」と認めたが、疑惑は否定した。16日付現地紙が報じている。
テメル氏の名前が最初に出たのはO社のクラウジオ・メロ・フィーリョ元理事が先週末行ったデラソンで、「2014年の選挙時、PMDBに1千万レアル払うよう、マルセロ・オデブレヒト社長(当時)に要求した」と言及したことが漏れ、大騒ぎとなった。マルセロ氏もその内容を認める供述をしたが、今回は新たな疑惑が表出した。
Veja誌によると、今回デラソンでテメル氏の名をあげたのは、O社の子会社の「オデブレヒト・エンジェニャリア・インドゥストリアル」元社長のマルシオ・ファリア氏だ。同氏が連邦検察庁に語ったところによると、同氏は2010年にテメル氏と会談し、「選挙に協力してくれたら、貴社に恩恵をほどこす」と言われたという。その会合には、当時下議だった、エドゥアルド・クーニャ前下院議長も同席していたという。
テメル氏は同年、ジウマ氏(労働者党・PT)の副候補として大統領選に出馬(結果、当選)しており、クーニャ氏もリオ州選出の下議再選を狙っていた。
ファリア氏は「恩恵」に関連し、「支払った献金は、ペトロブラス社の『安全・環境・保健に関する認定行動計画(PAC SMS)』に関係したものだった」と語っている。
ペトロブラスの「PAC SMS」でオデブレヒトは同公社と8億2560万ドルの契約を結んだが、水増し請求の疑いがあるとして、2013年に連邦検察庁の捜査対象となっていた。O社は当時、「10カ国での安全性と環境保護を任されている」として額を正当化したが、アルゼンチンでのコピー機3台の賃借料720万レアル、米国での借地料320万レアルなど、不自然な用途が目立っていた。
また、この会合には、LJ被告で、PMDBのペトロブラス関係のロビイスト、ジョアン・アウグスト・エンリケス被告も同席していたという。
これらの報道を受け、テメル大統領は15日に声明を出したが、「誰かに会ったことは覚えているが、どこの企業の人物だったか思い出せない」「その企業家はPMDBの援助に関心があり、短い会談だった」とした上、「あの頃は献金だの、ペトロブラスだのといった話はしていない」と切り捨てている。
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