チーム内政争、2015年優勝チームメンバーの相次ぐ引き抜き、低迷するチーム。名将チッチに率いられ、2015年の全国選手権を制したコリンチャンスのチーム事情は混迷の度合いを一層強めている。
今年下半期だけで、コリンチャンスは3度も監督を交代させたのだ。
2008年から2016年までを見ると、マノ・メネゼスとチッチが2回ずつ指揮をとっており、2010年に僅かな期間だけ指揮をとったアジウソン・バチスタを含めれば、コリンチャンスの監督は3人。
それが今年の後半だけで、コリンチャンスの監督はクリストヴァン・ボルジェス、ファビオ・カリーリ、オズワルド・デ・オリヴェイラの3人だ。
15日午前、コリンチャンスは、オズワルド・デ・オリヴェイラの、今年限りでの解任を発表した。シーズン最後の2カ月を率い、全国選手権の9試合で2勝4分3敗の成績だった。
過去に2回コリンチャンスを率い、サンパウロ州選手権、全国選手権、クラブワールドカップも制した名将の、3度目のコリンチャンス在任は余りに短かった。
同氏招聘を強く推した現会長のロベルト・アンドラーデ氏は、「彼を招聘したのは、彼がコリンチャンスを率いた経験も、また優勝経験もあるからだ。しかし、この2カ月の成績は期待していた最低限のラインに届かなかったため、解任の判断に至った」と語った。
11日の最終節クルゼイロ戦の前、オリヴェベイラ監督と、チーム首脳陣は来年の契約について合意に達したと伝えられていた。
しかし、アンドラーデ会長は、「あの時合意したのは(※サッカー部門)の人間で、会長の私ではない」と語る。
今後の人選に関しては、できるだけ早く契約、発表を目指すとしつつも、具体的な名前を挙げることを避けた。
8月にチッチがセレソンの監督に就任し、コリンチャンスの監督の座を降りてから、チームは混乱の一途を辿っている。
その過程で、クラブ内の反アンドラーデ会長陣営からは会長解任動議が出されており、会長との不和から、当時のサッカー部門ディレクターは辞職している。
オリヴェイラ氏と一旦は続投で合意した後の解任は、反会長派の圧力が働いたとの声もある。
「この解任は政治的な意図によるものか」と問われたアンドラーデ会長は、「誰かの歓心を買おうとして、監督を解任したわけではない。全てはコリンチャンスにとってよかれと思ってのこと。それが仮に政治的にメリットがあるものならば、悪い話ではない」と語った。
※ブラジルのクラブはサッカー部門以外にも、他の競技部門や財政、広報部門などを持つところが多く、各部門にディレクターがいる。(16日付エスタード紙、フォーリャ紙より)
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