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ラヴァ・ジャット=ルーラが4件目の被告に=三層住宅の裁判も大詰めに

 【既報関連】パラナ連邦地裁のセルジオ・モロ判事が19日、ルーラ元大統領夫妻や、ルーラ政権の財相でジウマ政権の官房長官のアントニオ・パロッシ氏、ルーラ氏の弁護士のロベルト・テイシェイラ氏ら、計8人への起訴状を受理、全員が被告となったと同日付G1サイトなどが報じた。
 今回の起訴は、サンパウロ市南部のルーラ研究所の土地購入や、サンベルナルド・ド・カンポ市のルーラ夫妻自宅の隣のアパートを同夫妻が無料で使用していた件は、オデブレヒト社からの賄賂との疑惑に関するものだ。
 検察庁によると、12年11月のマルセロ・オデブレヒトのメモには、ルーラ研究所と思しき名前と1242万2千レアルという金額が記されていたという。ルーラ氏の自宅の隣のアパートはグラウコス・ダ・コスタマルケス被告が50万4千レアルで購入したが、その後に賃貸契約を結んだマリーザ夫人は家賃を支払っておらず、真の所有者の名前を隠すための契約と見られている。
 検察は同件で、資産や犯罪収益、計7543万4399・44レアルの没収を求めている。
 パラナ地裁では現在、サンパウロ州グアルジャー市の三層住宅とルーラ氏の荷物保管料(11~16年)はOAS社からの賄賂だったとされる件の裁判も進んでいる。
 同裁判ではルーラ夫妻ら計8人が被告となっており、検察側の証人が、三層住宅の改築前と改築中はルーラ氏も出入りしていた事や、OAS社の幹部がコンドミニアムの管理者(ゼラドール)に「所有者がルーラ氏である事は誰にも言わないよう」頼んだ事、住民は住宅の所有者は元大統領と思っていた事、マリーザ夫人は所有者然として出入りしていた事などを明らかにしてきた。
 問題の三層住宅はバンコープ社が建設を手がけたが、6千人から集めた金(少なくとも一部)は労働者党(PT)の選挙資金に化けたとされる。その後の建設はOAS社が請け負い、問題物件は同社関係者の名義になっている。マリーザ夫人はバンコープ時代に購入枠を手に入れたという。
 なお、ルーラ氏とその息子ら計4人は16日、ゼロテス作戦絡みの裁判で被告になっている。
 ルーラ氏ら、ラヴァ・ジャットの被告複数人はモロ判事の資格を問題視し、同氏を外すよう求めているが、19日付エスタード紙は、高等裁はこれまでの上告28件中20件で刑を維持または重くしており、モロ判事の裁量は合法的な証拠に基づき、的確との記事を掲載している。