ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | シャペコエンセ=奇跡の生存者が回復に意欲=ルシェル、復帰の意志見せる=「喜びと悲しみ両方」と涙も

シャペコエンセ=奇跡の生存者が回復に意欲=ルシェル、復帰の意志見せる=「喜びと悲しみ両方」と涙も

 【既報関連】ブラジリア時間の11月29日未明、コロンビア中部メデリン市近郊で発生した、サッカーチームシャペコエンセ搭乗機墜落事故。それから18日後の17日、命をとりとめた4人のブラジル人中、最初に退院したサッカー選手のアラン・ルシェルが、記者会見を行ったと17~19日付伯字各紙サイトが報じた。
 搭乗していた乗客乗員全77人の内71人が死亡、6人が負傷した事故で重傷を負い、一時は自力で歩行するまで回復するかどうかさえも危ぶまれたルシェルは、順調な回復を見せ、選手として復帰する意志も示した。
 再びプレーできるまでに回復するのには6カ月かかると診断されたルシェルは、「もっと早く復帰したい」と語った。
 会見では、奇跡的に生還できた喜びと、多くのチームメイトを失った悲しみを同時に抱える複雑な心境を吐露した。
 「今の心境を一言で説明する事はできない。今生きていられる喜びと同時に、多くの仲間を失って…」と、語る途中で言葉に詰まり、涙も見せた後は、「亡くなった全ての人たちとその遺族の想いを背負って、前に進んでいくしかない。選手として復帰するためならなんでもする」と声を絞り出した。
 同日夜には南大河州の実家に戻ったルシェルは、グローボ局のインタビューに応じ、事故後の入院で体重が9キロも減ったことを明かし、「肉を一杯食べて精をつけなきゃね」と語った。
 一方、命を取り留めるも右脚切断となり、サンパウロ市で入院、背骨の手術も受けた選手のジャクソン・フォルマンは、17日午前、シャペコー市に移送された。
 グローボ局の電話インタビューを受けたフォルマンは、手術のせいでかすれた声で、「体調は良いが、退院の日取りは決まっていない。時間がかかるかも。今は事故の事は話したくない。回復に集中したい」と語った。
 ルシェルと同じ空軍救急用機で13日に帰伯し、シャペコー市の病院に入院中のジャーナリスト、ラファエル・ヘンゼル氏は19日に退院した。同氏は退院の際に会見で、「1月25日のシャペコエンセ初戦を実況したい」と語った。
 事故の後、救助隊が引き上げた後も残った警官が奇跡的に発見、腰椎骨折の重傷を負ったネットは、意識の回復もブラジルへの帰国も最も遅かったが、「17日は腰に補助器具を付け、補助の手も借りながらも歩行した」(FOXスポーツ)と報じられた。