ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の『12月度県連代表者会議』が9日午後、栃木県人会館で行われた。中前隆博在聖総領事が出席し、ジャパン・ハウス(以下JH)について熱心に説明したが、県人会役員には「どう協力していけるのか」が最後までピンと来ていないようだった。
山田会長の挨拶の後、中前総領事がスクリーンに映された動画や画像と共に、JHの概要について説明し、質疑応答の時間になった。
1分間ほどの重苦しい沈黙後、秋田県人会の川合昭会長が、おもむろに「JHの企画立案に県人会は関われるのでしょうか?」と疑問を投じた。
中前総領事は「JH内の企画の半分は日本での公募、残りはJH現地事務局のメンバーの立案を審議して決定する。だから『○○県』という紹介は難しいが、例えばテーマが『和紙』であれば秋田県と島根県に情報を仰ぐといった協力は考えられる」と答えた。
その返答に対し、「日本で公募、現地事務局の立案など、まるで県人会に関係が無いようだ」という意見も出て、中前総領事は「サンパウロのJHの一番難しいところです」と苦笑した。「『県の紹介』という形は難しい。JHの郷土紹介と県人会がどう絡むかは考えどころ」とした。
さらに「JHはどれくらいの期間営業するのか」という質問に、総領事は「関係者は10~20年と長い運営を望んでいる」と話した。ただし「外務省等と来場客数や報道数等具体的な指標数値を作っている。それに関する達成値が低ければサンパウロJHは撤退の可能性もある」と明らかにした。
最後に「JHの目的は『現在の日本の姿』を中心に、その背景にある歴史を見せること。そこで生け花の展覧会をしたり、県人会の活動と被ることもあるかもしれない。そこでコロニアとJHの橋渡しになるのが私の役割。皆さんも意見があればなんなりと仰って頂きたい」と語った。
山田会長は「日本祭りとJHは協力してやらなければならないと思い、県人会の理解を深めるために総領事に来て頂いた。皆さんもよく考えて欲しい」と県人会代表者らに呼びかけた。
その後『第47回ふるさと巡り』が17年3月17~22日、ロンドニア州のポルト・ベーリョ市とトカンチンス州パルマス市の旅程となったことが発表された。
また、JRパス問題では山田会長が関係各所に嘆願書を提出したことを発表。長崎県人会の川添博会長が「日系団体と協力して訴えかけるべき」と提案した。会議終了後、忘年会となり各県人会会長、関係者らの歓談の場となった。
□関連コラム□大耳小耳
12月度県連代表者会議で話題に上がったが、文協で行われる「新年会」は今回1月6日に予定されている。毎年元旦に開催されていたが、日系5団体で話し合った結果、「元旦は地方に行く人が多く人が集まらない」ということで開催日が変更された。元旦だと食事を作る仕出し業者を探すのも難しいとか。思えば、元旦前日の大晦日、5団体代表はリベルダーデ広場の餅搗きで顔を合わせる。24時間もしないうちに「新年会」でまた顔合わせ―という状態だった。日本でも元旦は家族や親族で集まる日。来年の正月は、日系5団体代表や総領事館代表も、ゆっくり過ごせそうだ。
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