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サンパウロ市長=市営劇場不正運営で告発される

サンパウロ市営劇場(Embratur)

サンパウロ市営劇場(Embratur)

 サンパウロ州検察は20日、フェルナンド・ハダジ、サンパウロ市長とオーケストラ指揮者のジョン・ネシュリング氏ら計11人に対し、市立劇場の運営で1億2900万レアルの損失をだした容疑で、民事訴訟の手続きに入ったと、20日付現地紙が報じた。
 同件の捜査は公共財関連事案担当のマルセロ・ミラニー、ネルソン・サンパイオ両検事が行う。
 検察は、被告全員の公民権停止の他、公庫に与えた損失分の返金を命じるよう要請した。
 ミラニー検事らによると、公金流出は、同市長の要請で創設された、同劇場の基金運営を担当するブラジル文化行政院(IBGC)を通し、市立劇場の芸術ディレクターとしてジョン・ネシュリング氏を招聘したことで起こった。
 ネシュリング氏の月給は水準からかけ離れた15万レアルで、ジュカ・フェレイラ元サンパウロ市文化局長、ジョゼ・エレンシア元市立劇場館長、ウィリアン・ナッキジ元IBGC所長、指揮者のネシュリング氏らは、市立劇場の運営のためにIBGCを作り、その口座を通して、公金流出を粉飾したと検察は見ている。
 ミラニー検事は、市立劇場の芸術ディレクター選出は、市民に公開で行わなければならないと法に定められており、ハダジ市長らはそれに抵触したとしている。
 同検事は、市長は市の行政において起こった全ての事の責任を負うべきとした。同件は、刑事事件としても捜査されている。
 エレンシア氏、ナッキジ氏は公金横領の直接の責任者で、ネシュリング氏はそれを知りながら、市立劇場で演奏会が開催される度に、過剰な金額の契約書に署名していたと検察は指摘している。
 エレンシア氏、ウィリアン・ナッキジ氏は罪を認め、司法取引に応じているが。ネシュリング氏は罪状を否認している。
 ハダジ市長は、報道官を通して出した文書で、ミラニー検事は市立劇場関係者の親類で、本件から手を引くべきだと主張。さらに「同検事が交通違反の罰金の使い道が違法だと市長を告発した件は先週結審したが、裁判官は市長を無罪とした上に、同検事の無責任さを問う判決を出している」として、同判事の態度に疑問を呈した。
 ネシュリング氏も「全く法的価値のない報奨付供述を鵜呑みにした告発で、根拠がない」との書面を出している。