ブラジルサッカー連盟(CBF)は19日、来年1月25日にリオのエンジェニャン・スタジアム(リオ五輪で陸上が開催されたスタジアム)で、コロンビア代表と親善試合を行う事を発表した。
この試合の収益は、11月のシャペコエンセ搭乗機墜落事故の犠牲者の遺族へ見舞金として送られる。
ただ、この日は国際サッカー連盟の定める国際Aマッチデーではないため、チッチ監督は、ブラジル国内組だけでチームを編成しなくてはならない。
「この試合は、シャペコエンセ搭乗機墜落事故被害者の遺族支援という特別な意図を持って組まれた。少しでも遺族の方々の助けになればと思っている」とコーディネーターのエドゥ・ガスパール氏は語った。
リオのマラカナン競技場は運営上の問題から使用できず、エンジェニャンが選ばれた。同スタジアムをホームとするボタフォゴは使用料を徴収しないため、より多くの収益金が遺族に支払われる。
レギュラーのほとんどを占める欧州組を招集できないが、チッチ監督にとってこの試合は、控えメンバーの戦力の底上げとして重要な意味を持ちそうだ。
レギュラー組の壁は厚いが、W杯本番まではまだ1年半あり、メンバーの固定化はチーム内競争の停滞と、チームの総合力ダウンにもつながりかねない。また、欧州の有名チーム所属の肩書きはなくとも、実力的に遜色のない選手がブラジル国内にもいる。ロシアW杯までにレギュラー1~2人、23人枠では4~5人の入れ替わりがあるほうが健全だ。
その候補には、①前回の代表戦に召集されたが控えに留まり、出番のなかった選手たち、②リオ五輪で金メダルを獲得したが、その後、A代表のチャンスがない選手たち、③A代表でも五輪代表でもないが、パルメイラス勢を中心に、11日に閉幕したばかりの2016年全国選手権で活躍した選手たちなどがおり、彼らを試すのには絶好の機会といえる。
筆者が強く推すのは、サンパウロFCのセンターバック、ロドリゴ・カイオと、パルメイラスの中盤の2人、モイゼスとドゥドゥだ。
世界的にはまだ余り知られていない選手たちだが、セレソンのユニフォーームを着ることで選手としての「風格」が増し、今後の成長次第ではロシアの地に立っている可能性もある。
ネイマールも、ガブリエル・ジェズースもいないセレソンだが、こうした「有望株を探す」視点から見れば、実に興味深い試合だ。
チッチもここでレギュラー争いに割って入ってくるような選手を発掘することを願っているだろう。
シャペコエンセに救いの手を差し伸べ、2017年ブラジルサッカーシーズン開幕を告げる試合は、1月25日午後9時45分キックオフだ。(規)
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