ブラジル三井物産基金は13日、援協が運営する自閉症児療育学級PIPA(井上健治代表)を訪れ、クリスマスプレゼントに筆記用具などの詰め合わせ49セットを、同施設の子どもたちに贈呈した。
08年設立の同基金は、日伯両国の友好発展と交流拡大に貢献する人材の育成を目指し、その活動の支援を目的とする。5年前からPIPAへ資金援助を開始し、今年は年間で約10万レアルを支援した。今月3日に行われた第12回発表会では、支援に対して基金に感謝状が手渡された。
グアルーリョス市のPIPAで行なわれた贈呈式に関係者6人が到着すると、きちんと列をなして並んだ生徒らに一つ一つプレゼントが手渡された。「ありがとう」と受取ると満足そうに顔をほころばせた。待ちきれずに、さっそく紐を解いて、中身を確認し目を輝かせる生徒もいた。
その後、和嶋リカルド施設長の案内で施設を視察。健常者と同じように自主性を促す日常生活療法で、自分で服を着替えるといった基礎的なことから習得させ、ポ語や算数の授業も行われる。和嶋施設長は、「保護者に対する教育も必要。家庭が教育の基盤になる」と重要性を語る。
ちょうど昼食をとっていた生徒たちだが、食事に対する感謝を表し「いただきます」とあいさつすることから徹底されている。上級生には食事を自分でよそって、後片付けまで行儀よく行う姿も見られた。
井上代表は、「施設に寄せられる支援は大変ありがたい。始めは何も出来なかった子どもたちが、自分のことが自分で出来るようになっていっていく」と喜びを見せ、今度のさらなる活動拡大に意気込みを見せた。