日本の演歌歌手、真木柚布子さんが18日午後、クリスマスコンサートをサンパウロ市東洋街の客家会館で開催した。昨年8月に続き2度目の公演で、再びブラジル日本アマチュア歌謡連盟(NAK)が招へい。約700人が来場し公演を楽しんだ。
公演開始を待ち望む来場者から口笛や手拍子などが送られ、午後3時半に開演。持ち歌の「助六さん」「さくら月夜」を立て続けに披露し、「オブリガーダ、ボア・タルデ!」とあいさつ。「今年はクリスマスコンサートとして2年連続で呼んで頂きました。北川朗久先生、NAK、堀井文夫社長はじめ皆さんのおかげです」と感謝を伝えた。
また「昨年も皆さんに温かく迎えて頂き、初対面なのに親戚かと思った」と語ると、司会の藤瀬圭子さんが「では、ブラジルが真木さんの第2の故郷ということで」と提案。間髪いれずに「良いんですか!?」という掛け合いに会場も沸いた。
演技派歌手としても有名な真木さんは、前回好評だった歌謡芝居「九段の母」も披露。戦死した息子を靖国神社まで訪ねる感動の演目で、観客の涙を誘った。
さらにゲストとして今公演に同行した、ボサノヴァ歌手の北山敦子さんが「ヴォセ・イ・エウ」「デザフィナード」などを披露。真木さんと「マシュケナーダ」も歌い上げた。
その後、昨年の来伯用に制作された「はっぴーサンバ」、北川郎久作曲、もず昌平作詞の「どこに咲いても花は花」を披露。最後に「美唄の風」で第1部を締めくくった。
第2部は北山さんと共に、白いドレスを身に纏い登場。時期に合わせクリスマスソングのメドレーを歌って楽しませた。途中には観客席まで降り、来場者と握手や写真撮影にも快く応じた。
来場した志田若代さん(84、佐賀)は「また来てほしい。『九段の母』で泣きそうになった」と感動の様子。夫婦で訪れた山田太一さん(77、北海道)は「真木さんの声のボリュームが出てて良かった。とても素晴らしい」と満足した様子で語った。
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真木柚布子さんが歌う「どこに咲いても花は花」(北川郎久作曲、もず昌平作詞)は、日本移民をイメージして作られた応援歌だそう。「蕾つけたら 背筋を伸ばし 踏みつけられても 起き上がる 今日の涙を 明日には 勇気に変えて 空を見る」――そんなしめっぽい歌詞だが、曲調はアップテンポで楽しげ。「やりまっせ やりまっせ やらいでか!」という元気のいいサビの掛け声も親しみやすい。コロニア歌手の間で流行するかも。
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