サンパウロ州教育局が21日に発表したデータによると、サンパウロ州立校では教師への暴力事件が1カ月あたり23件発生していると、22日付現地紙が報じた。
発表されたデータは今年の始めから7月末までの7カ月の数字で、暴力事件発生件数は164件だった。2015年は年間通して188件、2014年は237件だった。
サンパウロ市では1~7月に、州全体で起きた暴力事件のおよそ4分の1にあたる42件が発生している。その内の15件は市東部で発生した。
他市では2013年末以来、つまり2年以上の累計でも、マウアー市(31件)、カンピーナス市(27件)、グァルーリョス市(20件)、サンベルナルド・ド・カンポ市(18)で、サンパウロ市の発生件数の多さは群を抜いている。
暴力を受けた教師は後遺症に悩むのみならず、職場復帰しても、教壇ではなく、事務職に就く、他の機関に移るなど、教職継続を断念する例も起きている。
サンパウロ市は2015年に1日あたり372人の教師に休職許可を与えたが、その4分の1は精神を病んでのものだった。
サンパウロ市から250キロ離れた町で地理の教師をしていたマリア・クララさん(44歳・仮名)は、2011年に、反抗的な態度をとる女生徒(当時17歳)に「教室から出て行きなさい」と命じた際に暴行を受け、首を絞められそうになった。
マリアさんは休職扱いとなり、翌年学校に復帰したが、精神的なトラウマが残り、治療を受けた後は、学校職員として働いている。「もし、教壇に戻って同じ事が起こっても放っておく。自分の命の方が大事」と語る。
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