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16/17年夏=外国人観光客は250万人?=受け入れ態勢まだまだ未熟

 暦の上の夏が21日に始まったが、ブラジル観光公社(Embratur)はこの夏の外国人観光客は250万人に達すると予測している。
 20~22日付G1サイトによると、15年にブラジルを訪れた外国人観光客は630万人で、世界ランキングは45位だった。観光客の大半を占める国内客によるものも含めた観光収益は国内総生産(GDP)の9・6%の4920億レアル、直接・間接で計880万人の雇用を生んでいる。
 今年はリオ五輪やそれに伴うビザ免除などのせいもあり、外国人観光客が増加。ブラジルを訪れた観光客はリピーターとなる例が多い事もあり、同公社は、15~16年の夏を11%上回る、250万人の外国人観光客が来ると見込んでいる。
 出身地別に見た外国人観光客はアルゼンチン(207万9823人、33%)が最多で、米国(9・1%)、チリ(4・9%)などが続く。全体の54%は南米の人で、行き先は、リオ市32・6%、フロリアノポリス市18・8%、フォス・ド・イグアス市13・5%など。フロリアノポリス市では、最盛期のホテルは70~80%がアルゼンチン人で埋まるという。
 国土が広く、観光資源も豊富なブラジルだが、外国人観光客のランキングは45位に過ぎないのは、観光地の価値を高め、積極的に売り込む努力に欠けている事が原因だ。
 米国の人に聞くと、ブラジルは行きたい場所の15位に過ぎない。これは、カリブ海諸国などより旅費がかかる事や、治安など、マイナスのイメージを与える情報が多い事などが原因だ。
 ブラジル観光公社の宣伝費も11年の1億8840万6千レアル以降、尻すぼみで、15年は1億1250万レアルの予算が大幅に削られ、6497万レアル(約160万ドル)のみだった。この額は、メキシコの4億4720万ドル、エクアドルの950万ドルなどと比べても極端に低い。
 空港や港湾の整備の遅れや他国語を話せる人が少ない事なども、外国人観光客の受け入れを妨げる要因となっている。