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サンパウロ州地裁=サンパウロ市議給与増額を差し止め=市民感情に配慮の司法判断=対応が割れる市議たち

ドリア新サンパウロ市長(Rovena Rosa/Agência Brasil)

ドリア新サンパウロ市長(Rovena Rosa/Agência Brasil)

 【既報関連】サンパウロ州地裁は25日、サンパウロ市議会が20日に承認した、市議給与の26・3%引き上げを差し止める判決を下したと26日付現地各紙が報じた。
 サンパウロ市議会は2017年1月からの市議55人の月給を、1万5031・76レアルから1万8991・68レアルに引き上げることを、賛成30、反対11、棄権14で承認していた。
 給与の引き上げを差し止める暫定令は、アルベルト・ムニョス、サンパウロ州地裁判事によって出された。同判事は、「任期終了直前の給与引き上げは『市の予算における新たな歳出は、任期終了より180日前に決めなくてはならない』とした財政責任法に抵触する」と判決理由を説明した。
 市議会は、既に来年2月2日までの休暇に入っているため、正式な通達を受け取っていないが、市議会議長団は、控訴の意向を表明している。
 給与調整案作成者で、市議会副議長も務めるミルトン・レイテ市議(民主党・DEM)は、市議会は議会内の司法担当者の見解も踏まえて決定しており、給与増額は適正だとしている。
 一方、17年からのサンパウロ市議に選出されているエドゥアルド・スプリシー元連邦上議(労働者党・PT)は、所属政党の市議全員に、控訴しないように呼びかける意向だ。
 長引く不況の折、1月1日にサンパウロ市長に就任するジョアン・ドリア氏が市長、副市長、局長クラスの給与を据え置く事を決めている中での、市議が勝手に市議給与26・3%増額を決めたニュースは、大きな反発を引き起こしていた。
 市議の給与増額は不当だとの訴えを起こしたジュリアナ・ドナート氏の代理人である、ブルーノ・フィゲイレド弁護士は、市議達が今年始め、市の公務員の給与を0・01%しか調整しなかった事も例にあげながら、この訴えは市民の不満を反映したものであり、判決がそのまま動かない事を期待すると語った。