ホーム | ビジネスニュース | 《ブラジル経済》 1週間で年間トータルのインフレ予想が0・09%もダウン=2015年の景気低迷、さらに10%超のインフレのダブル・ショックよりはまし?

《ブラジル経済》 1週間で年間トータルのインフレ予想が0・09%もダウン=2015年の景気低迷、さらに10%超のインフレのダブル・ショックよりはまし?

ブラジル中銀の、通貨政策委員会の様子(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

ブラジル中銀の、通貨政策委員会の様子(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 ブラジル中央銀行が国内の金融機関を対象に行った市場調査の結果をまとめ、26日に発表した報告書「フォーカス」によると、今年の経済成長予想とインフレ予想は年末に来てさらに下がり、2017年もこの傾向が続く見込みである事が分かった。
 政府の公式インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は、今年1月はじめから12月末までの累計で、6・40%に落ち着く見込みだ。これは1週間前の予測が6・49%だった事を考慮すると、大きな変化だ。この数値だと、今年のインフレは、政府目標の4・5%±2%ポイントに収まったことになる。
 インフレ収束は、景気後退の長期化という流れの中で起きており、諸手を挙げて喜ぶことはできない。フォーカスの予想では、今年のブラジル国内総生産(GDP)はマイナス3・49%で、この数値も1週間前のマイナス3・48%から下方修正されている。
 景気後退の長期化のため、中銀は前回のフォーカス発表時も、年間インフレ率は6・49%に落ち着き、政府目標の範囲内に収まると予想していた。現段階での2017年末のインフレ率は4・85%、GDP成長率はプラス0・5%と予想されている。
 フォーカスでは、インフレ収束に伴い、中銀の通貨政策委員会(Copom)が、現在13・75%の経済基本金利(Selic)を、2017年末までには10・50%に引き下げるだろうと予測している。(26日付アジェンシア・ブラジルより)