2月2日の下院議長選に関し、連邦政府は表向きには口出ししない方針だが、実際は、エドゥアルド・クーニャ前議長(民主運動党・PMDB、既に議員罷免)の会派「セントロン」からの候補を快く思っていないと、4日付エスタード紙が報じている。
現時点では、2月の下院議長選では、現職のロドリゴ・マイア議長(民主党・DEM)の再選が有力視されている。同議長の現時点での問題は憲法上の解釈で、「1月までで任期が終わり、再選はできない」と唱える勢力が、最高裁に出馬は違憲との訴えを起こしていることだ。
マイア氏は昨年7月、クーニャ氏の辞任を受けた議長選で当選し、現時点での任期は約半年のみであるため、議員や司法関係者の間では「再出馬は可能」とする声が目立つが、最高裁はまだ判断を明らかにしていない。
現時点では、クーニャ氏が右派議員を中心に約200人の議員で作った会派「セントロン」からは、昨年7月の議長選で次点だったロジェリオ・ロッソ下議(社会民主党・PSD)とジョヴァイール・アランテス下議(ブラジル労働党・PTB)の2人が出馬を望んでいる。
連邦政府は早くから、上下両院の議長選には口出ししない方針を打ち出しているが、エスタード紙の報道だと、テメル大統領の側近たちが両氏の出馬もしくは当選を回避すべく、各政党に手を回しているという。
ジルベルト・カサビ科学技術相が党首をつとめるPSDはロッソ下議の出馬に対して反対で、同下議はそれを押し切っての出馬だ。また、アランテス下議に関しては、進歩党(PP)や共和党(PR)などが出馬に難色を示している。
また、現時点では唯一の野党候補で、ジウマ政権で通信相もつとめたアンドレ・フィゲイレド下議(民主労働党・PDT)は、マイア議長の再選出馬を最高裁が止めることを望んでいる。
連邦政府側がセントロン候補の出馬を嫌っているのは、マイア議長と良好な関係が築けていることと、ラヴァ・ジャット作戦で罷免に追い込まれたクーニャ氏との繋がりが強いセントロンから出馬する疑惑の政治家が議長選に負けた際、救済措置として閣僚に指名する約束の対象となることを避けたいからだ。テメル大統領は、12月に行われたオデブレヒト社関係者による報奨付供述が、最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事によって受理、公表されるのを待って、閣僚再編を行う意向だ。ザヴァスキ判事による受理、公表は2月半ばか3月と見られている。
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