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ブラジル小売業=統計史上最大の減少を記録=「落ち込みは続く」と識者

 銀行業務集中サービス社(Serasa)の発表によると、昨年のブラジルの小売業は2001年の統計開始以来最大の落ち込みを記録したと10日付現地紙が報じた。
 小売業での分割払い、デビットカード払い、クレジットカード払い、小切手払いの総額は前年比6・6%減で、2012年の水準まで落ち込んだ。下げ幅もこれまで最大だった2002年の4・9%を上回った。
 「これほどの落ち込みは予想外だった」とSerasa社のエコノミスト、ルイス・ラビ氏は語る。同氏によると、落ち込みの原因は高金利、失業率上昇、消費心理の冷えこみ、高インフレで、主に食料品を扱うスーパーの売上を直撃したと語った。
 同氏は、「落ち込みは未だ底を打っていない。今年上半期はこの傾向が続く。金利低下と労働市場の回復が起これば、下半期以降、多少の回復はありうる」と述べた。
 同氏は2017年を前年比±0%が精一杯だとし、2015、16年の2年間で空けた穴を埋め、2014年の水準に戻るのは2020年との見解を示した。
 生活必需品ではなく、ローンや融資を利用して購入することの多い部門が最も影響を受けた。売上低下が一番激しかったのは自動車やバイク、自動車用部品の部門で、前年比13%減だった。
 次に落ち込みが激しかったのは繊維、衣料、靴、アクセサリー部門で、売上は2015年比12・6%減だった。
 Serasa社によると、前年比増を記録した唯一の部門は燃料だ。
 ラビ氏は不況のため、飛行機での旅行を、車を使った近場の旅行に切り替える人が増えたため、燃料部門の売上増が起きたと見ている。