テメル政権経済政策チームとリオ州は9日、昨年から陥っている深刻な経済危機から同州を救い出すための政策を打ち出すことを決めたと、10日付現地紙が報じた。この政策は11日までにテメル大統領(民主運動党・PMDB)と、カルメン・ルシア最高裁長官に諮られる。
財務省とリオ州の間で結ばれた合意には、リオ州が連邦政府に抱えている負債の支払いを36カ月以上先延ばしする事、その条件として、同州政府が支出を抑え、財政状態を改善するための方策を採る事が盛り込まれている。
この合意の実現はリオ州議会の承認にかかっている。同州議会は昨年、ルイス・ペゾン州知事(PMDB)が提案した財政改革案の多くを否決している。
エンリケ・メイレレス財相は9日、リオで行われたペゾン知事との会合で、州財政再建政策の詳細について合意した。
その中には、昨年連邦議会で承認された、国庫の歳出に制限を設ける憲法改正法案PEC241と同様の、調整上限案が盛り込まれた。具体的には、今後2年間、州職員の給与をインフレ率以上には上げない事、職員の新規採用を行わない事も含まれている。
また、昨年12月にリオ州議会で否決された、州職員の年金負担率を給与の11%から14%に上げる事も、再度、今回の合意に含まれた。
リオ州と連邦政府間の合意は、最高裁が裁可して初めて正式なものとなるが、最高裁は年末年始の休暇中で、再開は2月となっている。
カルメン長官は9日、リオ州の財政凍結に関する審議を一時停止させた。これは、財政改善を目指して、連邦政府と交渉しているリオ州に時間的猶予を与えるための決定だと見られている。
カルメン長官は先週も、リオ州に対し総額3億7300万レアルの凍結を命じた予備判決二つを差し止めた。この予備判決は暫定令の域を出ないものではあったが、リオ州と連邦政府との間の交渉進展を促す役目を果たした。
財政緊急事態宣言を出している州は、リオ州以外にも、ミナス州とリオ・グランデ・ド・スール州がある。政府は昨年末、財政破綻状態にある州を救済するため、財政再建プログラムを議会に提案した。これは財政援助をする代わりに、その州に緊縮財政プランを飲ませるというものだ。
だが、連邦議会が緊縮財政プランを含まない財政再建プログラムを承認したため、大統領が拒否権を行使。リオ州との直接交渉となった。
ペザン知事はメイレレス財相との会談時に、大統領と最高裁がリオ州の財政再建プランを承認すれば、州議会がプランを承認する条件がより整うとの見解を示した。