ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ブラジル=刑務所暴動鎮圧へ国家治安部隊=アマゾナス州とロライマ州に100人ずつ

ブラジル=刑務所暴動鎮圧へ国家治安部隊=アマゾナス州とロライマ州に100人ずつ

10日早朝にマナウスに着いた国家治安部隊のメンバー(Tomaz Silva/Agência Brasil)

10日早朝にマナウスに着いた国家治安部隊のメンバー(Tomaz Silva/Agência Brasil)

 1日から繰り返されている刑務所の暴動で、3カ所計64人の囚人が殺害されたアマゾナス州マナウス市に10日早朝、国家治安部隊(FN)の隊員25人が到着した。
 これは、アレッシャンドレ・デ・モラエス法務相が9日に「アマゾナス州とロライマ州に計200人の国家治安部隊員を送る」と約束した分の第一弾だ。アマゾナス州には同日中に更に75人、囚人33人が殺害されたロライマ州にも100人が派遣された。
 ロライマ州では、昨年11月にも国家治安部隊の派遣を要請したが、その時は法務省が派遣を拒否した。今回は、6日未明に同州最大のモンテ・クリスト農業刑務所で33人の囚人が殺害された事を受けての再要請が認められた事になる。
 一方、アマゾナス州では2日未明、アニージオ・ジョビン複合刑務所で56人が殺された上、同日午後も、プラケクアラ刑務所で4人が殺害された。同州では、8日未明にもライムンド・ヴィダル・ペッソア判事刑務所で4人が殺害され、刑務所内での犠牲者は64人となった。
 アマゾナス州では、1日から2日にかけて起きた四つの刑務所での暴動や混乱で、184人が脱走しており、アニージオ・ジョビン刑務所の外で6日に発見された3人の遺体は囚人のものだった可能性がある。また、8日の暴動後、行方不明となっている囚人も2人おり、犠牲者の数は更に増える可能性がある。
 このため、アマゾナス州は、国家治安部隊員と共に、脱走者を探すためのヘリコプターの派遣も要請している。
 国家治安部隊員は刑務所内の警備は行わず、脱走者の逮捕や逃走防止、裁判所への犯罪者護送、他の刑務所への囚人移送などの任務に就く。
 これに対し、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル、アクレ、トカンチンス、ロンドニアの5州は、国家治安部隊以外の支援を要請している。
 ロンドニアは刑務所管理のための資材や資金、司法当局が検討中の囚人の移送を要請している。 アクレは既に許可が出ている囚人15人の移送を要請。マット・グロッソ・ド・スルはやはり囚人の移送を要請しているが、州法務局が22人の移送を要請しているのに対し、司法当局が認めたのは7人のみだ。
 マット・グロッソは武器や刑務所管理用の資材を要請、トカンチンスは男性用の防弾チョッキ1363着を要請中だ。
 また、アクレとロライマは、この他にも、刑務所の拡大のための資金も要請していた。法務省は既に、新しい刑務所の建設や既存の刑務所の拡大の形で収容人数を増やすための資金として、両州に3200万レアルずつを送金済みだ。(9日付及び10日付アジェンシア・ブラジルより)