18年の大統領選とサンパウロ州知事選を控えた今、民主社会党(PSDB)サンパウロ州支部長が、ジェラウド・アウキミン知事の意向に反旗を翻したと、11日付エスタード紙が報じている。
9日夜、PSDBサンパウロ州支部に緊迫した空気が流れた。それは、同支部長のペドロ・トビアス下議が、「州知事の後継が不安だ」との理由で自身の任期延長を申し出たためだ。
トビアス氏はその理由として、アウキミン知事が大統領選出馬を明らかにした場合、後継者の座がブラジル社会党(PSB)に奪われることを恐れていると公言した。
アウキミン知事は18年大統領選への出馬に強い意欲を持っており、少なくとも9カ月は、現副知事のマルシオ・フランサ氏(PSB)が州政を担うことになる。そうすれば、PSBの候補が次期州知事に就任する可能性が俄然高くなる。
サンパウロ州知事の座は、1995年にPSDB創始者のひとり、マリオ・コーヴァス氏が就任して以来、現在まで同党が保持し続けている。
またトビアス氏は、昨年10月の市長選では、PSBの候補がマウアーやグアルーリョスといった市でPSDBの候補を破り、同党に打撃を及ぼしているとした。
さらに、現知事の息がかかったジョアン・ドリア氏が市長に就任したサンパウロ市では、市議会議長選でマリオ・コーヴァス・ネット市議に票が集まらず、ミウトン・レイテ氏(民主党・DEM)に惨敗したことも不満であるとした。
先週、トビアス氏が内部投票の可能性を示唆した時点では、アウキミン氏の側近ら3人がサンパウロ州支部長候補に名乗り出ていたが、結局、トビアス氏の主張が認められ、得票数18対3で同氏の留任が決まった。
トビアス氏は留任を強行する前に、PSDBサンパウロ州支部の大物2人(ジョゼ・セーラ外相とアロイージォ・ヌーネス上院政府リーダーと会って相談をしている。セーラ氏はやはり18年大統領選を狙っているし、アロイージオ氏は14年の大統領選では、18年も出馬を狙っているアエシオ・ネーヴェス氏の副候補だった人物だ。
PSDBで党の管理職の任期延長を強行したのは、トビアス氏だけではない。昨年12月は、同党党首のアエシオ氏が今年5月までだった任期を1年間延長している。その背景には、アウキミン一派が党首交代を強く求めていたことがあった。
アウキミン氏は、18年大統領選にPSDBの候補として出馬できない場合、息のかかった党員らと共に同党を離脱し、PSBなどの連立党から出馬することも辞さないともいわれている。
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